【もりと】ケガを乗り越え、再び仲間とコートに立ちたい。主将・澁谷杜斗のバレーボール人生と覚悟に迫る【兵庫デルフィーノ選手図鑑vol.6】
柳原 佑芽

皆さんこんにちは!

今回はVリーグ・兵庫デルフィーノの個人インタビュー連載の第6弾です。

髙辻朝基選手へのインタビューに引き続き、今回は主将・澁谷杜斗(しぶたに もりと)選手にお話を伺いました。

澁谷選手は2024年11月に右膝内側側副靱帯損傷のケガを負い、約3ヶ月のリハビリ期間を経て試合復帰を果たしました。本インタビューでは復帰に至るまでの道のりをお届けいたします。また、楽しさと苦しさの両方を味わいながら成長した高校・大学時代のエピソードも必見です!

ぜひ最後までお読みください。

※インタビューは試合復帰前に行いました。

澁谷杜斗選手・一問一答プロフィール

Q. 出身は?

A. 兵庫県加古川市です。幼稚園から高校までは広島県で過ごしました!

Q. ポジションは?

A. アウトサイドヒッターです!

Q. ニックネームは?

A. 「もりと」って呼ばれてます。

下の名前が珍しいので、こう呼ばれることが多いですね。

Q. 趣味・特技は?

A. 趣味は探し中ですね。

特技は字を綺麗に書くことで、履歴書とかを持っていくとよく褒めてもらえます。

☆今シーズンの展望などを澁谷選手にお伺いした記事はこちらから!

兵庫デルフィーノのHGに潜入!キャプテン・澁谷選手にインタビューも【ゲームレポート】
https://madeinlocal.jp/category/sporkle/011 

インタビュー本編


澁谷選手は兵庫デルフィーノでもチームメイトの檀上正健選手(1学年上)と小学校から高校時代までともに過ごしました。今回は高校時代の経験を中心に聞いてみましょう!

楽しみながら全国を目指した、神辺旭高校での3年間

檀上選手と澁谷選手

ー中学卒業後、神辺旭高校への進学を決めたきっかけを教えてください。


当時は広島県絶対王者の崇徳高校と神辺旭高校で迷っていました。

中学生の頃にどちらの高校とも交流があって、その中で神辺旭高校と合同練習をした時に、すごく楽しそうにバレーボールをしながら全国を目指している部分が魅力的だと感じました。

それと、ギリギリまでどちらの高校に進むか迷っていた時に、神辺旭の先生が高校入学後の3年間のスケジュールを作ってくれたんです。学校行事と照らし合わせたり、チームでの1人ひとりの起用方法や成長目標についても説明をしてくださったりして、その言葉を聞いて「神辺旭に行きたい」と決心しました。

ーすごく手厚いサポートですね!高校入学前に檀上選手に相談されたというエピソードも以前お聞きしましたが、檀上選手はどんな先輩ですか?


本当に真面目でまっすぐですね。学生時代からずっとバレーボールに真剣に取り組んでいて、練習に付き合ってもらったりとか、トレーニングを教えてもらったりと頼りにしています

高校生の時はずっとパスペアをしていたんですよ。1年生は先輩と組むルールだったので、そこで檀上選手に練習メニューとかも教えてもらいました。

ー頼れる先輩ですね!澁谷選手の代の戦績や部内の雰囲気はいかがでしたか?


3年生の時の県大会は4つありました。

新人戦は3位に終わったんですけど、3位決定戦はすごく競った記憶があります。その翌月の大会では準決勝で強豪校の崇徳を倒して優勝したんですよ。

十数年ぶりに神辺旭が崇徳に勝って「全国大会に行ける」と思ったんですけど、インターハイ・春高バレーの県予選ではどっちも崇徳に負けてしまって、結局3年間全国大会へ進むことはできませんでした

崇徳の選手たちは全国大会がかかってくると目の色を変えてくるというか、絶対に落とせないという気迫を強く感じましたね。

部内の雰囲気はオンとオフの切り替えがしっかりできていました。練習中はそれなりに厳しく言うこともあったんですけど、試合の時はみんな笑顔でバレーを楽しんでいました。普段は上下関係もそこまで意識していなくて、仲も良かったです。

ーちなみに学生時代にキャプテンなどの経験はありましたか?


中学生の時は副キャプテンで、高校は平社員みたいな感じでした(笑)

大学では、当時リベロの選手がゲームキャプテンをすることができなかったので、試合の時だけキャプテンでしたね。僕は先頭に立って引っ張るタイプじゃないので、正直キャプテンがすごく嫌でリベロに押し付けていました...!

悩みながらも成長できた愛媛大学での4年間

ー大学時代の経験について教えてください。


高校卒業後は愛媛大学に進学しました。

自分たちの1個上の代まではスポーツ推薦があって春高バレーに出たような強い先輩がたくさんいて、リーグ優勝は当たり前で全日本インカレや天皇杯にも出場するような大学だったんですけど、スポーツ推薦がなくなってからは勉強を頑張って入ってきた子たちばかりになりました。

なのでそこまでレベルが高くない子がたくさんいる中で、大学の伝統を守るためにもどうやって勝つかはすごく悩みましたね。

4年生の時はリーグでも5チーム中4位とかで、全日本インカレにも行けなかったです。自分たちの代は「勝ちたい」と思って入ったメンバーが多かったんですけど、後輩たちはバレーが第一の生活ではなかったと思うので、同じ方向を向くのが大変でした。

ー後輩には当時どんな声かけをしていましたか?


もうひたすら怒っていたかもしれないです。同級生がすごく優しい子たちだったので、嫌われ役じゃないですけど、雰囲気を締める役割として動いていました。

ただ当時は勝ちたい思いが本当に強くて、大学4年生でバレーをやめようと考えていた時期もあったので、「このまま終わりたくない」とずっと思っていました。

活躍して親に恩返しをしたい気持ちで兵庫デルフィーノへ入団

ー兵庫デルフィーノへ入団したきっかけを教えてください。


大学4年生で引退が近づいてきた時に結果もそこまで良くなかったですし、自分の中で「やりきった」と思えなかったんです。

4年生の時は親が全部の試合を観に来てくれたんですが、小学校からバレーをやらせてもらって迷惑をかけていたので全然良いところを見せられなかったのが悔しくて

やっぱり最後は自分の活躍する姿を見せて親に恩返ししたいと思ったので、バレーボールを続けることにしました。

ーVリーグの舞台への憧れはありましたか?


中学生の時に10年後の自分に手紙を書く機会があって、「バレーボール選手になってますか?」と書いていたので、当時から憧れていたんだと思います。

ーその夢が本当に叶ったんですね!Vリーグのコートに初めて立った時の気持ちは覚えていますか?


スターティングメンバーではなかったんですけど、開幕戦からコートに入らせてもらいました。先輩たちがプレーしやすい雰囲気を作ってくれたので、とにかく楽しかったです。

デルフィーノは昔から本当にバレーが好きで明るい人たちがたくさん集まっているチームだと思います。

ーデルフィーノで仲が良い選手はどなたですか?


同期の逢沢(亘)は大学のリーグも一緒なので、もう7、8年ぐらいの仲ですね。もちろん檀上さんともよく話します。後輩だと、髙辻(朝基)と川波(虎太郎)とか。あと副キャプテンの山川(悠輝)とはよくチームのことを話します。

うちはいい意味でも悪い意味でも上下関係を気にしていないというか、先輩でもなめてかかれるチームです(笑)

ーコミュニケーションが活発なことはどの選手も口を揃えておっしゃってますね!


うちのチームは現役大学生から41歳の白川さんまで、みんな壁を作らずにどの年代でも関係なく仲が良いです。

バレーのコートに入った時でも年齢を気にせずに良いところ・悪いところを言い合えるのはデルフィーノの強みだと思っています。

ケガに苦しんだ24-25シーズン、復活に向けての意気込み

ーケガの影響で長期離脱が決まった時の心境はいかがでしたか?


ケガをした瞬間は「多分膝やったな」と思ったんですけど、リーグ中だったので信じたくもなくてプレーを続けていました。ただやっぱり痛くて、「靭帯切れてるかな...」と病院に行くまではすごく不安でしたね。靭帯が切れているのと切れていないのでは復帰までかかる時間が全然違うので。

それで病院に行って、手術が必要と言われた時は今シーズン中に復帰できるかどうか心配でした。キャプテンとしての責任感もありましたし、個人的にすごく調子が良くて状態が上がってたので、本当に残念というか、ショックでしたね。

ー気持ちが落ち込む中で、どのようなモチベーションでリハビリに励みましたか?


復帰まで3ヶ月かかると言われていたんですけど、「3ヶ月あればシーズン終盤には間に合うな」と思ったので、とにかくそこに向けてひたすらリハビリをしていました。どんな形であれ、絶対にコートに立ちたいという気持ちでしたね。

今年のデルフィーノはシーズン開始時点で選手が8人で、リーグに参戦できるかすら不安な時期を一緒に乗り越えてきた仲間がいて、そこからうちのチームに入ってきてくれた新しい選手たちもいるので。今までとは違うしんどい1年を過ごしてきたからこそ、このメンバーとコートに立ちたいです。

現在は制限なく運動することの許可は出ていますが、やっぱり元通りのプレーとは程遠いので、ようやくスタートラインに立った状況です。

リハビリ中にもファンの方から「待ってます」と声をかけていただいて、その声もすごく励みになりましたし、楽しみにしてくださっている方の前で早くプレーがしたいです。

アピールポイントとファンへのメッセージ

ー澁谷選手のアピールポイントと最終戦に向けた目標を教えてください。


攻守での活躍が必要なポジションなのでレシーブも観ていただきたいですし、プレー面で言うとブロックにボールを当てて点を取るブロックアウトが得意なので、注目していただきたいです。

もうシーズンも終盤ですが、兵庫デルフィーノは「最高のエンターテインメントをファンへ」という目標を追求し、どんな試合でも面白いと感じてもらえるような楽しいバレーボールをしたいと思っています。

ー最後に応援してくださっている方へのメッセージをお願いします。


ケガをした時にたくさん励ましていただいてありがとうございます。

またコートに立って活躍できるようにリハビリを頑張っているので、ぜひ試合を観にきてください


ーこれからも応援しています。ありがとうございました!

おわりに

幼少期からひたむきにバレーボールに打ち込んできた澁谷選手。1つひとつの言葉から競技への熱意やチームへの愛着が伝わってきました。

24-25シーズンもいよいよ終盤です。
2025年3月15日(土)・16日(日)に奈良ドリーマーズのホーム・西部生涯スポーツセンターにてシーズン最終戦が行われます。
澁谷選手率いる兵庫デルフィーノの今シーズン最後の勇姿を見届けるべく、ぜひ会場へ足を運んでくださいね。

また、澁谷選手についてもっと知りたい方は兵庫デルフィーノYouTubeチャンネルの「サシトーク」のアーカイブをぜひご覧ください!

【バクトーーク×サシトーークVol.3 #兵庫デルフィーノ のアイツが誰か1人呼んでダラダラ喋ります】
https://www.youtube.com/live/Y_KV1lgxSJs?si=1hWiQ-MXnmjbne6M 

次回は今シーズン最終回として、長屋梓監督へのインタビューをお届けします。お楽しみに!

最終戦試合情報


【開催日時】
 • 3月15日(土):12:00試合開始
 • 3月16日(日):12:00試合開始
VS.奈良ドリーマーズ

※奈良ドリーマーズのホームゲームです

【開催場所】
西部生涯スポーツセンター
〒631-0052 奈良市中町4860番地

■アクセス
①近鉄学園前駅南口より奈良交通バス(奈良県総合医療センターまたは若草台行き)にて「熊取」下車後、進行方向先の「砂茶屋」交差点を左へ徒歩7分。
②近鉄富雄駅より奈良交通バス(奈良県総合医療センターまたは若草台行き)にて「砂茶屋」下車。進行方向へ進み徒歩5分。

関連サイト


チーム公式サイト
https://bakus-katana.com/delfino/ 
YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@%E5%85%B5%E5%BA%AB%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0 
Instagram
https://www.instagram.com/hyogo_delfino/ 
X
https://x.com/Hyogo_delfino 
試合日程・結果(V.LEAGUE公式サイト)
https://www.svleague.jp/ja/v_men/

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