【デルフィーノの春日】サーブを武器にいざVリーグへ!波賀野蓮のバレーボール人生に迫る【兵庫デルフィーノ選手図鑑 vol.3】
柳原 佑芽

皆さんこんにちは!

今回はVリーグ・兵庫デルフィーノの個人インタビュー連載の第3弾です。

檀上正健選手へのインタビューに引き続き、1月後半からチームへ本格合流した波賀野蓮選手にお話を伺いました。

波賀野選手は肩幅の広さと宣材写真の撮影時に胸を張っていたことから「デルフィーノの春日」と呼ばれ、GMからピンクのベストが授与されたのだとか。取材にも春日スタイルでお越しいただきました!(笑)

そんな波賀野選手ですが学生時代には何度も挫折経験を味わい、現在に至ります。どんな経緯でVリーグの地へ辿り着いたのか、彼のバレーボール人生を一緒に覗いてみましょう。

※インタビューはチームへの合流前に行いました。


波賀野蓮選手・一問一答プロフィール


Q. 出身は?

A. 静岡県掛川市です!

実は掛川市初のプロバレーボール選手で、兵庫デルフィーノ入団内定後には掛川市役所に表敬訪問をさせていただきました。市長さんも「すごく嬉しいよ」と激励してくださいました。兵庫県と静岡県は少し距離がありますが、地元にも貢献できたらなと思います。

Q. ポジションは?

A. ミドルブロッカーとオポジットです!

Q. ニックネームは?

A. 「はがれん」ってよく呼ばれます!


Q. 趣味は?

A. ご飯を食べるのが大好きで、結構大食いです。

僕の母校である浜松修学舎高校の近くにあるお店の、1キロぐらいの『つけ麺富士山盛り』を完食できます!


インタビュー本編

挫折を乗り越えた中高時代


ーバレーボールを始めたきっかけと、その時期を教えてください。


僕は中学からバレーボールを始めました。小学校から一緒にサッカーをしていた子がママさんバレーをやっていて、その子が誘ってくれたことがきっかけです。ちょうどスポーツ漫画の『ハイキュー!!』を見始めた時期でもありました。


ー中学校から新しいスポーツに挑戦するのは大変でしたか?


先輩からのいじめがあって中2の時はほぼ練習に行ってなくて、中3からやっと行き出せたんです。僕は小さくておデブちゃんだったんですよ。それもあって全然うまくいかなくて、何をしても面白くないというか。すごく苦しかったし、今思えば鬱みたいな感じだったのかなって思います。

その中学校の校長先生がバレーボールを教えている方で、僕が中3で卒業する時に校長先生も定年ですごく可愛がってくれたんです。当時はいわゆる保健室登校みたいだったんですけど、校長先生が「俺が勉強教えてやるよ」とわざわざ来てくれて。本当に周りに助けられましたね。


ー素敵な校長先生ですね...!周りの支えがあってバレーボールを続けられたのですね。


本当にそうですね。高校は浜松修学舎高校に進学しました。今でこそ全国に行くチームですけど、僕が高1の時は初戦敗退が当たり前のチームでした。

高2に進級するタイミングで、今も監督をされている森貴明さんが来ることになると伝えられました。その方はJOCという県選抜の監督さんで、静岡でもレジェンドの先生なんですけど、僕の代が初心者6人と経験者2人の合計8人で、「お前がキャプテンだから頑張れよ」って言われたんです。下の代とレベルが全然違って、結構焦りも感じつつ「普通に練習しても追いつけない」と思っていました。

そんな中で、全然大したことないママさんバレーで左足を捻挫して足が真っ青に腫れてしまいました。監督に「実は練習終わりに夜練とかに行ってました」って言ったら、「それじゃ元も子もないだろう!」と大説教を食らって、その時はさすがに「バレー人生終わった...」と思いました。

捻挫した次の週に大切な練習試合があったので、「出るしかねえ」と思って4日でギブスを外したんですよ。テーピングをしてなんとか乗り切ったんですけど、今度は右足を捻挫しちゃって。身体的にも精神的にもまたしんどかったですね。



ーまさかの両足...一難去ってまた一難ですね。ちなみに森監督が来られてからのチームの戦績はいかがでしたか?


森先生が来て1ヶ月後にインターハイがあったので、そこではベスト16にも入れなかったです。その後、静岡西部の新人戦があって、そこで結構上にいけたかな。聖隷クリストファー高校っていう本当にめちゃくちゃ強いチームに対して1セット取れて。この試合以外は聖隷が全部ストレート勝ちで優勝したんですけど、唯一取れたので「これはいけるかもしんないぞ」って自信がつきました。

高2の1月2月にインターハイの予選決めの大会があって、そこで静岡県ベスト8に初めて進むことができました。次の試合でSVリーグの東レアローズに行った山田大貴さんがいる清水桜が丘高校にボコボコにされちゃったんですけど、ベスト8に行けたのは嬉しかったですね。

高3はコロナの時期だったので練習がなかなかできませんでした。みんなでZoomで集まって、トレーニングをする風景を監督さんが見るみたいな感じでできる限り練習はしましたがインターハイの代替試合では下田高校に負けちゃって、ベスト8には届かなかったです。そこで僕以外の3年生がみんな引退して、5月から11月までは僕1人だけでした。

本当はキャプテンを次の代に譲っても良かったみたいなんですけど、「お前最後まで残ってくれてるし」と言って最後までキャプテンをさせてもらって。最後は決勝に進んだ静清高校に負けちゃったんですけど、でも「最後までやってよかった」と思いました。森先生への感謝がすごく大きいです。



ー森先生との出会いでバレーに対する意識は大きく変わりましたか?


森先生が来てくれたことで練習環境もどんどん整って、僕もバレーに対して無知の状態だったんですけど、本当にいろんな知識を入れてもらいました。あの経験がなければデルフィーノにも入れていなかったと思います。


ー森先生は人生を変えた恩師ですね。


そうですね。今でも高校に遊びに行ったり、練習に参加させてもらったりとお世話になっています。


ーキャプテンの経験も高校が初めてでしたか?


中学は補欠だったので、高校が初めてでした。

キャプテンはいい意味でも悪い意味でも責任を負わなきゃいけないじゃないですか。そのおかげで反骨心というか、「頑張らなきゃ」って思って努力できるようになったかな。

あとはみんなの表情を見るようになりました。元々人の顔色は見ちゃうタイプなんですけど、今までは「これ言ったらダメだろうな」という見方だったところが、「こう考えてそうだから、こんな声かけをしてあげよう」という捉え方に変わりました。その経験が大学とか、今も生きているのかなと思います。



キャプテンとしての自覚を持ち、苦しみながらもはい上がった大学時代


ー現在大学4年生ということですが、大学バレーはいかがでしたか?(2025年3月卒業予定)


大学バレーはなかなか苦しかったですね。毎年東海リーグの二部の上位で、一部との入れ替え戦に毎年行けるか行けないかみたいな。

森先生の紹介で大学へ行かせてもらったので「頑張らなきゃ」と思っていたんですけど、いざ行ってみたらみんなガツガツ行くタイプではなくて。「バレーやれればいいわ」ぐらいの感じだったので、そのギャップというか僕だけ燃えてて、あとはシーンって感じだったので温度差に苦しめられました

ただプレー面ではいいこともたくさんありました。東海リーグでは毎年表彰制度があるんですけど、大学1年でブロック賞、大学2年でスパイク賞、大学4年でサーブ賞をいただいて、実績を残すことができました。

大学4年の自分の代ではキャプテンをさせてもらって、念願の一部昇格も達成できて。コロナ禍の自動昇格を除けば入れ替え戦まで勝ち進んでいけたのは大学としても本当に久しぶりだったみたいで、すごく嬉しかったです。

ーそれはすごく嬉しいですね!チームのモチベーションも徐々に上がっていきましたか?


僕たちの代になるときに、後輩もふざけがちではあるんですけどなんやかんやで付いてきてくれるやつばっかで。僕が悩んでたのも知ってたと思います。やるときにはしっかりやってくれたからこそ一部昇格を掴み取れました。



Vリーグの舞台へ



ー兵庫デルフィーノへ入団した経緯を教えてください。


僕としては「バレーを続けられたらいいな」と思っていて、大学3年生の後半ぐらいにお世話になっていたアナリストの方に「Vリーグ行ってみない?」と言われたことがきっかけです。僕もデータを見るのが好きだったこともあって、悩みを相談させてもらうことも多かったのですが、そんな僕の努力する姿勢を評価してくれたみたいで。


ただ、いろんなチームを受けたけどダメで、そこでアナリストの方が兵庫デルフィーノを紹介してくれて入団することになりました。



ー大学までのバレーとVリーグの違いは感じましたか?


バレーの面で言うと、大学とか高校はミスを減らすイメージだったんですけどVリーグのレベルになると、サーブカットからの切り返し攻撃が強すぎてサーブをガンガン攻めて崩さないと意味がないと言われて「そうなんだ」と思いました。ミスしちゃいけないのは一緒なんですけど、それ以上に攻めることを大事にしています。


それとチーム面では兵庫デルフィーノはみんなで練習できる時間が少ないので、「大学以上にコミュニケーションを取らないといけないな」と思って行ったらみんなめっちゃ喋るんです。山川悠輝さんは僕がトライアウトに行った時からめちゃくちゃ話す人で、本当にうるさいぐらいなんですけど、恥ずかしさとか遠慮を捨ててみんなで意見を言う環境がすごいと思いました。「これをやんなきゃ戦えないんだな」って。



ーなるほど。山川選手を筆頭に関西人らしい明るさがチームの特徴でもありますもんね。


それちょっと怖いんですよね。練習へ行くとやっぱもう関西弁が飛び交うのと、逢沢亘さんと車で一緒になったときに自分の話をしてたんですけど、「オチは?」って言われて。「うわあ、関西や!話にオチつけないといけないんや、怖いな」と思いましたね(笑)



ー関西人は勢いありますよね(笑)


1言ったら120くらいで返ってくるじゃないですか。だから「関西に慣れていかないとな」と思うのと、「Vリーグの舞台で戦えるようにならないとな」と思ってます。



ーちなみにすでに仲が良い選手はいらっしゃいますか?


山川さんはすごい話してたんで仲良いんですけど、最近では髙辻朝基川波虎太郎とか、佐野研成も仲良いし。あとは熊崎夢大・鯛取渉・桑野剛毅はトライアウトの最終選考のチームが一緒だったので、「俺らで頑張ろうな」って言ってます。ちょっと会うのは久々ですけどワクワクしています。


ー同期の選手も試合に出場されていますもんね。


桑野とかは最初から出てるんですごいなって。そこに加わっていけるようにですね。負けてらんないっす。


ー同期の皆さんとの活躍を期待してます!波賀野選手自身のアピールポイントも教えて欲しいです。


ハイブリットサーブは大学1年からずっと練習し続けてきた自分の武器で、東海リーグ一部でもサーブ賞をいただいたので、通用するんだなと自信を持っています。

僕はミドルブロッカーでチームに入っているんですけど、大学生活ではレフトとライトもやったので、どこに入っても活躍できるのもアピールポイントですね。


ーサーブとマルチに活躍できるところを覚えてもらいましょう!では、今後の目標を教えてください。


兵庫デルフィーノの決起集会で監督に注目選手に選んでいただいたときに「1試合で1本は必ずサービスエースを取る」と大々的に言っちゃったので、その勢いでやりたいなと思います。

チームとしてはここから後半戦に入ります。2月は毎週試合があるのでハードなんですけど、なんとか勝ち星を増やせるように、そのワンピースになれたら良いなと思ってます。



ー最後にデルフィーノファンへメッセージをお願いします。


まずは合流が遅れてしまって申し訳ないです。

初期のトライアウトから応援してくださってる方もいるので、なかなか勝てていないですけど、「デルフィーノは勝てるんだぞ」っていうところを見せたいです。

チームのコンセプト自体は「フルセットをして最高のエンターテイメントをお届けする」なので、アウェーもそうですけど、ホームゲームに来てもらったら絶対に楽しませられるようなバレーを見せたいなと思っているので、ぜひ応援をよろしくお願いします。

ーこれからも応援しています!ありがとうございました!




おわりに


中学校の校長先生と高校の森監督、2人の恩師に支えられながらバレーボールを続けてきた波賀野選手。苦境を乗り越えて現在もプレーを続ける生き様に感動しました。

大学バレーがひと段落し、ついにチームに本格合流です。波賀野選手のサービスエースにぜひご注目ください!

次回は同じく大学からチームに合流した川波虎太郎選手のインタビューをお届けします!

お楽しみに!




関連サイト


チーム公式サイト

https://bakus-katana.com/delfino/ 

YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/@%E5%85%B5%E5%BA%AB%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0 

Instagram

https://www.instagram.com/hyogo_delfino/ 

X

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試合日程・結果(V.LEAGUE公式サイト)

https://www.svleague.jp/ja/v_men/ 

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