街に元気を与えてくれる ―株式会社RETOWN 代表取締役 松本篤―
遠山紀杏

みなさん、こんにちは!学生ライターのノアです^_^ 以後お見知りおきを。

私は今回、まちづくりを行っておられる、松本さんという方を取材させていただけるという貴重な機会をいただきました。

取材中は優しく、質問の一つ一つにとても丁寧に答えてくださいました。

実際にまちづくりを行っておられる方にお話を聞ける機会というのは今までになく、とてもためになることをたくさん聞けました。

よかったら最後までご覧ください(^^)

○取り組みを始めたきっかけ


―――“地域創生”などの活動をしようと思ったきっかけは何ですか?

松本篤さん(以下松本さん):私は大学一年生の時に、阪神淡路大震災を経験しました。
当時三ノ宮にあるお店でアルバイトをしていましたが、そこはもちろん、他のお店を含め、三ノ宮全体がとても暗い雰囲気となりました。
私は、そういった時こそ、皆が集まって騒げる場所があるべきだと思いました。
3,4か月経ったくらいで、アルバイトをしていたお店が再開し、70坪の土地に2千人のお客さんが来るようになりました。
お店を再開することに賛否両論はありましたが、「やっぱりたくさんの人がこんな場所を求めていたんだ」と肌で実感しました。
この出来事をきっかけに、三宮の街に明かりが灯ったように感じました。
こんな風に「一軒のお店づくりから街にプラスの影響を与えられるようになりたい」、そう思い、今の仕事を始めました。

―――具体的に、これまでどのような活動をされてきましたか?

松本さん:独立後、最初の1年で4店舗くらいお店を出しました。
ただ、「いいお店を出したからといって、必ずしも流行るわけではない」ということをこれまでの経験から感じていたので、いいお店を出すかつ流行らせるためには何が必要なのかを考えたところ、「業態力」、「人材育成力」、「立地開発」、「必要なお金を調達する力」、最低でもこの4つは必要だと思いました。
なので、「飲食店の事業」、「不動産にかかわる事業」、「人材にかかわる事業」を最初にスタートさせました。

―――独立後1年で4店舗もお店を出されたんですか、すごいです!

松本さん:そして人材の紹介事業をやっていく中で、飲食店の離職率が高いということに気付きました。
その理由は何なんだろうと考えると、飲食業界は中小企業が多い故にどんな会社か知らずに入ってくる人が多い、そして実際に働いてみると思ってたのと違うと感じ、ミスマッチが起きてしまうからだと感じました。
私はそのミスマッチを減らしたいと思い、とりあえず3カ月間派遣として働いてもらい、スタッフと店側の合意の上で正社員になってもらうというスタイルをとりました。
それによって、業界の平均離職率30%を下回る、10%にまで抑えることに成功しました。

―――飲食店事業について、詳しく教えていただけますか?

松本さん:お客様たちは「美味しくて安いもの」を求めるようになってきました。
そこで、ある程度の調理技術が必要であり、飲食店側もそういった人たちを求めるようになりました。
けれど私たちの会社に登録にくる人たちは、大手飲食チェーン店を辞めた人たちが多く、10年キャリアはあるけど包丁をあまり使えないという人が多かったんです。
そういう人を見てそこにミスマッチがあるなと思い、短期間で実践的な調理技術を身につけられるような学校を作ろうと思い、「お寿司の学校」を始めました。

―――ありがとうございます。
では次に、印象に残っている活動について教えていただけますか?

松本さん:“水辺の施設”の設置ですね。
これは船の上に浮かんだレストランのことなのですが、日本で初めてのチャレンジが3つくらいあったので、行政からの許可をもらうことに苦戦してしまい、オープンが予定より1年半ほど遅れてしまいました。
とても大変でしたけど、その分できた時の達成感や嬉しさは大きく、実際にお客様が楽しそうにお食事をしたり、お酒を飲まれている姿を見ると、やってきて良かったと心から思いました。

○現在の取り組み


―――現在はどのような取り組みをされていますか?

松本さん地域の個性や魅力を活かした拠点づくりを行っています。
以前大阪万博をきっかけに、多くの企業はインバウンドビジネスを行っていましたが、コロナをきっかけに、観光客が激減し苦しみました。
そんな中、私たちの会社がコロナ禍でもなんとかやっていけたのは、地元のお客さんだったり、大阪の若い人たちが遊びに来てくれたおかげなんです。
それを機にインバウンドだけに頼った取り組みは危険で、やっぱり初めから、地域を大事にしたまちづくりをしていかなければならないと痛感しましたし、多くの人たちがそのことに気が付きました。
それを踏まえ、現在では大小20くらいの取り組みを行っています。

―――コロナをきっかけに大切なことに気付かれたのですね。
その取り組みを行う上で大切にされていることは何ですか?

松本さん:まちづくりの仕事は私たちだけではできません。
協力してくれる行政の方だったり、賛成してくれる皆さんがいるおかげで成り立っています。
なので私は、「この場所を盛り上げていけるか」、「地元に一緒に取り組めるパートナーがいるか」、この2点を特に重要視しています。

―――そういった取り組みを行っているうえでやりがい、大変さを感じる時とはどんな時ですか?

松本さん:先ほどもお話ししたように、やりがいを感じる時は、自分が作った場所で楽しんでおられるお客様の姿を見る時ですね。
逆に大変なのは、思うように進まないときです。
私たちが行う事業に反対される方、変化を求めていない方も多くいらっしゃいます。
なのでそういった方たちにも納得していただけるよう、努めなければなりません。

―――先ほど大小20ほどの取り組みをされているとおっしゃっていたので、やっぱり大変なことも多いのですね。

松本さん:なので私たちは、あえて20のプロジェクトを同時に進めています。
1つのプロジェクトだけですと前に進まない時間があります。
20ものプロジェクトを一気に行えば、どれかは進むだろうという考えです。
バランスをコントロールしているのです。

○今後の活動について


―――今後、どのような未来を描かれていますか?

松本さん:そうですね、日本全国に転がっている課題、水辺の利活用や小学校の廃校問題、商店街の衰退問題のある地域で成功モデルを作り、他のところでも活用できるようにすることですね。
確立させたものを作る、私たちは「まちづくりを産業化したい」と思っています。

―――まちづくりを産業化するのですか。

松本さん:はい。
昔はまちづくりを産業化させることは難しかったんです。
しかし、ちゃんと商売として成り立つモデルを作っていくことで、そういった活動に参入してくるプレイヤーも増えてきて、業界としても盛り上がってくると思います。

○最後に


―――地域創生やまちづくりをしたいと思っている方にメッセージをお願いします。

松本さん:実はまちづくりに関して、「どう街を変えていくべきなのか」といった方法論については、大学の教授や行政の方たちが話し合ってきたことにより確立され、色んな良い事例が出始めてきているんです。
けれど現場に足りていないのは、実際にリスクをとって汗をかくプレイヤーなんです。
私は足りていないからこそ、そこにチャンスがあると思っています。
なのでまちづくりに興味のある方は、自分なりにリスクを冒し、汗をかけるプレイヤーをして参加してほしいです。

―――素敵なメッセージをありがとうございます。
では最後に、Made In Localへ一言お願いします。

松本さん:ローカルを盛り上げるきっかけとして、もっともっとメジャーになっていただければと思っておりますので、頑張って下さい。

―――貴重なお言葉ありがとうございます。
私たちも地域を応援する一員として貢献できるように、これからも頑張っていきます!
本日はありがとうございました。

松本さん:ありがとうございました。

企業名

株式会社RETOWN

所在地

大阪府大阪市生野区桃谷5-5-37 いくのパーク講堂棟3F

創業年

平成16年7月22日

代表者

代表取締役 松本篤

事業内容

飲食店経営、飲食店FC本部、人材紹介事業、まちづくり事業、
保育事業

従業員数

204名

WEBサイト

https://www.retown.co.jp

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