人が元気になる「世のため、人のため」、活動できる「シカケ」を創る ―株式会社シカケ 代表取締役 金山宏樹―
昇 未来

こんにちは!学生ライターのみくです!
今回は、“道の駅再生人”として「行きたくなる」飲食店の仕掛け、「買いたくなる」お買い場づくりの手法を開示するプロデュースやセミナーをおこなわれている株式会社シカケ 代表取締役 金山宏樹さんにお話しをお伺いしました。

取り組みを始めたきっかけ

―――“道の駅再生”に取り組もうと思ったきっかけはなんですか?
金山宏樹さん(以下金山さん)“「自信を持って出身地は淡路島です」と言えるようになりたい」”と思ったことがきっかけです。
淡路島出身だということを言いたくなかったんです。どこ出身ですか?と聞かれたら、淡路島とははっきり言えず神戸の近くと答えたりしていました。
淡路島を離れて島を見た時、もっとブランディングや、情報発信ができるなと思ったんですね。そこでご縁があって淡路島の赤字の会社を再生する機会をいただいて、この会社をめちゃくちゃ流行らせて有名にすれば、会社を好きになって、地元の淡路島が好きになるのではないかと思いました。

―――具体的にどのような活動をされたのですか?
金山さん:「道の駅うずしお」、「うずの丘大鳴門橋記念館」の2つの施設の運営に参画しました。ほとんどのお客さんは、これらの施設の目の前にある鳴門海峡を見るために来られるのですが、そこにいろんな“シカケ”を仕掛けたらもっとお客さんも増えて淡路島のことを知ってもらえるじゃないかと考えました。

図1 道の駅うずしお

図2 うずの丘 大鳴門橋記念館

図3 鳴門海峡

―――どんな“シカケ“を仕掛けられたのですか?
金山さん:道の駅うずしおでは、レストランに「地域やその施設の看板メニューを作ろう!」という話になって“白い海鮮丼”という看板メニューを作りました。

―――“白い海鮮丼”はどのように生まれたのですか?
金山さん:当時、淡路島は赤身の魚が取れなくて、どこにでもあるような海鮮丼を作っていたんです。ある日、レストランへの口コミに「淡路島の魚介すごく美味しい」という書き込みがありました。これに対して「淡路島で取れた魚介じゃないんだけどな・・・」と思いまして・・・。そこで、小さい頃から私たちが食べてきた、瀬戸内の白身の魚を食べてほしい!と思い、白身の魚だけで海鮮丼を作りましょうと提案し、生まれました。

―――苦労した点はありますか?
金山さん:白身の魚をそのまま丼ぶりに乗っけたらめちゃくちゃ色味が悪かったんですよ。「これは1000円もらわれへんな・・・」という見た目になりました。

―――どう改善されたのですか?
金山さん:誰もまだ“白い海鮮丼”というのを作っていなかったので逆にそのまま“白い海鮮丼”というキャッチーな名前をつけました。高級焼肉店のように白身の魚をべつ盛りにして、魚の名札もつけることでお客さんに何を食べているか分かってもらうようにしました。

図4 白い海鮮丼 ~今日のネタなんですか?~
1,800(税込1,944) 円

―――大切にしていることはありますか?
金山さん:デザインしますが、しすぎない、できるだけ事実を書いてデザインしていくことを大切にしています。原価を上げたり見栄えを良くすることにシフトして以前よりも売上を上げ、額が上がるように変えていきました。

株式会社シカケとは?

―――“シカケ”という名前の由来はなんですか?
金山さん:人っていろんな仕掛けにかかっていると思うんですね。例えば、矢印の方向に人間は行きたくなるように・・・常に誰かの作為によって人は動かされているんです。僕、“作戦どおりにまんまとハマる”という言葉がとても好きで、いろんなことを“シカケ”ていく会社がいいと思ったからです。

―――なぜカタカナで“シカケ“なのですか?
金山さん:源担ぎのような意味合いなのですが、8という数字が好きで。無限に広がるという意味があります。なので、八画の“シカケ“とカタカナにしました。創業日も18日で、ひとつの可能性を無限に広げていくという意味があります。会社のロゴも8という数字のマークになっていて、8を好んで使用しています。

―――どのように面白い“シカケ”を生み出しているのですか?
金山さん僕一人でやってきたというよりはたくさんの人の力を借りました。淡路島のシカケがうまく動いた時の話ですが、私が東京に住んでいたときに「どこ出身ですか?」と聞かれて淡路島と答えたら「小豆島ね」と言われたことがあって(笑)淡路島の存在って知ってもらえてないなという経験があったんですね。淡路島自体を全国に知ってもらうということが大事だろうなと。このようなコンセプトのような軸があったので、プロジェクトを応援してあげようといろんな方が力を貸してくださったんですよね。“本気でやってれば追い風が吹く。”という言葉が好きで使うんですが、使命があって行動があるのと世の中を楽しくしようというのがベースにあるので追い風が吹いて、うまくいくんだなと思います。軸がブレないので、それを真っ当するための“シカケ”が生み出ます。

―――具体的に生みだす過程を教えていただけますか?
金山さん“淡路島自体を有名にしたい”ということから様々な企画が始まって、大阪でバズっていたポスターを見たことをきっかけに「ポスターって面白いよね」という話になりました。そこでポスター作りが始まって、“たまねぎキャッチャー”という案が出てきました。クレーンゲームを借りて実際に装飾をして企画として、たまねぎキャッチャーをやり始めました。この企画にも“どうやったら一番玉ねぎを届けられるか”というコンセプトがあります。


図5 たまねぎキャッチャー


図6 たまねぎキャッチャー ポスター

―――“たまねぎキャッチャー”は、なかなかのパワーワードですね
金山さん:たまねぎキャッチャーを配置したときに誰かがtwitterで「淡路島狂ってる・・・」とツイートしたのがバズったことをきっかけに広まりました。感謝の意を込めてこの方に大量の玉ねぎを送りました(笑)

―――実際に玉ねぎの売り上げに変化はありましたか?
はい、玉ねぎ全体の売り上げにつながりました。たまねぎキャッチャーは1つ取れたら1.5キロプレゼントですが、真横に1.5キロ500円で玉ねぎを販売し、キャッチャーをやった方がいいのか、買った方がいいのかという心理戦も仕掛けました。

明るい未来に向けての取り組み

―――現在どのような活動をされていますか?
金山さん:大人たちが道の駅のことを真剣に支援する、“全国道の駅支援機構”というものを設立しました。年に何回かセミナーを開いて、道の駅の課題を吸い上げて、調査業務だったり、道の駅のリニューアルプランを出しています。また、仲間と北海道鹿部町(しかべちょう)の道の駅を運営する、シカベンチャーという現地の法人を立ち上げ、流行らせ担当として活動しています。


図7 全国の道の駅支援機構

―――様々なご支援をされているのですね
金山さん:近年は、ふるさと納税の納税額を上げるメソッドも構築できつつあり、伸びた分の一部を道の駅のリニューアルに使おうという取り組みをしています。「ふるさと納税が伸びて、まちの財源も増えて、道の駅も黒字化に転じれて超ハッピーじゃん!」というこのモデルで様々な支援に入っています。

―――活動をされる上で大切にしていることはなんですか?
金山さん“チームビルディング“が大切だと思っています。道の駅を再生する中で、チームが育ってきました。

―――成功の秘訣はありますか?
金山さん:会社のメンバーがデザインしてくれたり、取材対応をしてくれたり、チームで足並みを揃えて、前向きだったからいろんな成功があったと思います。どんどん良くなっていくから自信もついてきて、こんな未来にしましょうって話しているからその未来に向かってみんなで突っ走っていけます。

―――最後に地方創生に関して、このメディアをご覧の皆様に応援メッセージをお願いします。
金山さん:人の役に立つこと(相手が望んでいること)を継続してやっていれば、自分のやりたいことがどんどんできていくんじゃないかなと思います。世のため、人のため、自分のために活動していきましょう!

おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
“世のため、人のため”に様々な活動をされている金山さんにとても感銘を受けました。
コロナ禍で制限されることが多く、世の中全体が暗くなりがちですが、金山さんのように前向きに、より明るい世の中にしていきましょう!

企業名

株式会社シカケ(Shikake co. ltd.)

所在地

・本社
〒656-0531 兵庫県南あわじ市北阿万伊賀野1080番地2

・宮崎営業所 
〒880-0865 宮崎県宮崎市松山二丁目1番1号 ザ・レジデンス大淀河畔 801号室

・島根オフィス
696-0104 島根県邑智郡邑南町日和260-3「邑南サテライト・スタジオ」内 シェアオフィス 邑南 Avengers

・東京オフィス
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目7番26号 ワコーレ新宿第一ビル2F Workmedi  一般社団法人 全国道の駅支援機構 気付

創業年

平成29(2017)年7月18日

代表者

代表取締役 金山宏樹

事業内容

道の駅再生支援、立ち上げ支援、繁盛店プロデュース 、ブランディング支援、商品開発支援、パッケージデザイン制作、ロゴマーク制作、WEBサイト制作、講演(「ワクワクする道の駅の作り方」成功事例に学ぶ道の駅の運営と活性化方法etc.)

WEBサイト

株式会社シカケ - Shikake co.Itd.

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