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本記事は「Made In Local」の発起人である株式会社IOBI代表取締役の石井智大と「地域を代表する企業100選」選出企業様の対談企画です。
今回は「岡山を代表する企業100選」選出企業であるシステックITソリューション株式会社(岡山県津山市)代表取締役の市克吉(いち・かつよし)氏にお話を伺いました。
本記事では、全国の私立高校を中心にそれぞれの学校のスタイルに合わせた校務システム「Major School System(MSS)」を開発・提供されているシステックITソリューション株式会社様のこれまでの歩みと、これからの教育業界の未来について対談形式でお伝えいたします!
システックITソリューション株式会社【岡山を代表する企業100選】
https://madeinlocal.jp/category/companies/okayama024
株式会社IOBI 石井智大(以下、石井):本日はよろしくお願いします!
システックITソリューション株式会社 市克吉氏(以下、市):よろしくお願いします!
全国で展開中のオーダーメイドの校務システム
石井:まずは、システックITソリューション株式会社様が展開されている校務システムについて教えてください!
市:私たちが提供する校務システムは、独自の仕様やカリキュラムを持つ私立高校様でも使いやすい、オーダーメイド対応可能なシステムであることが最大の特徴です。
定期試験の結果を入力して通知表の作成や順位を算出することはもちろん、進学のための内申書の作成や高校入試などの場面でも活用されています。
例えば成績をつけるにしても、一般的な公立高校様であれば定期テストの点数で通知表の成績をつけますが、私立高校様によっては独自の算出方法で複数の科目を合算したり、テストの点数とプラスで平常点なども成績に落とし込む場合があります。
そうなると標準的なパッケージシステムでは生徒さんの成績を正しく計算できず、現場の先生方がExcelなどを使って別途計算しなければならない場合もあります。
石井:テスト以外の独自の評価点も、学校の方針に合わせて一元管理できるシステムがシステックITソリューション株式会社様の「Major School System(MSS)」なんですね。
市:その通りです。さらに、学校によってはテストの結果(成績)と出席率のどちらに注意を払うかも異なります。
出席率に注意を払う場合は、生徒さんが単位を落とさないよう、あるいは留年しないように学期単位よりも細かな月・日単位で出欠を管理し、たとえば一定日数を連続で休んだ生徒さんがいれば、ご家庭に連絡を入れたり、家庭訪問を実施するような運用方針の学校様もいらっしゃいます。
石井:まさに唯一無二のオーダーメイドのシステムですね。
市:岡山県内には今まで、こうしたフルカスタム可能な校務システムを作れる会社はなかったので、おかげさまで北は北海道、南は九州地方まで多くの私立高校様にご活用いただいております。
始まりは母校の公立高校から
石井:現在、岡山県から全国に校務システムを展開されているシステックITソリューション株式会社様ですが、どのような経緯があってこの事業を始められたのでしょうか?
市:僕は元々、地元の岡山でシステム畑の人間として働いていて、そこで今の事業の根幹でもある画期的な開発ツールと出会ったんです。それから、大手メーカー様が抱える工場の生産管理システムを完全オリジナルで約10件ほど手がけて「人に喜んでもらえるこの仕事が自分にとっての天職だ!」と感じたのが最初のきっかけです。
石井:自分で作った仕組みで誰かが喜ぶ姿を見られるのは、やっぱり嬉しいですよね!その後、教育業界に進まれたのは何か大きな転機があったのですか?
市:そこから、僕の母校である岡山県の公立高校様から依頼を受けたのが今の事業の始まりです。
石井:現在のメインターゲットである私立高校様ではなく、公立高校様が始まりなんですね!自分の母校から仕事をもらえるなんて、とても感慨深いですね。
市:その時は成績処理システムの再構築をご依頼いただいたのですが、公立ということもあって限られた予算の範囲のなか、初めての教育システムの開発に苦戦した記憶があります。
しかし、情報収集のために地元の他の学校をリサーチしたところ、母校に限らず、校務システムの開発には想像以上の需要があることに気づけたので、これは大きな収穫でしたね。
石井:ここで得られた気づきが今の事業内容につながっているんですね!
市:そうなんです。その後はより低価格でお求めいただけるような形で校務システムをご提供することに特に力を入れていきました。
石井:ローコストで、ニーズに合わせて細かい部分まで対応してもらえるのは学校側からすればとてもありがたいですね!そこから、どのようなきっかけがあって現在の規模まで成長されたのでしょうか?
市:地元の津山市ではなく、和歌山県にて最初に校務システム導入の火がつきました。当時、和歌山県内には当社が校務システムを提供している学校様がまだいらっしゃらなかったので、岡山県で実際にシステムが使われている現場を視察された後に導入が決まりました。
これをきっかけに僕たちのシステムが評価されて、和歌山県内で次々と案件が舞い込むようになりました。その時は文教事業に参入して本当に良かったと感じました。
一時は案件がゼロに…現在の方針にシフトした大きな転機
市:ただ、ちょうど依頼が安定してきた2009年に政府から「スクール・ニューディール政策」が打ち出されたんです。
これは学校のICT環境を整備することを目的に、先生1人に1台ずつパソコンを貸与して、今でいうところのDX化を進める政策ですが、自治体単位での統一システム導入の動きになり、ここに大手IT企業も参入して大規模な入札案件になるわけです。
石井:確かに自治体をあげての大型案件であれば、大手企業も見過ごすわけにはいかないですよね。
市:そうなんです。大手企業ともなると、行政とのコネクションがすでにある会社も多いので、かなり不利な状況でした。
こうした逆風のなかでも僕たちに頑張って欲しいと和歌山県内の学校様もいろいろと手助けしてくださったのですが、公立高校様メインでスタートした案件は全て大手企業様のシステムに塗り変わってしまい、たちまち導入校がゼロに戻ってしまいました。
当時は2週間くらい仕事どころではなくなり、何もできない日が続きましたね。
石井:厳しいですね……別の事業への転換は考えなかったのでしょうか?
市:もちろん、文教事業を諦めることも考えました。
そこで「まだアプローチしたことがない私立ならどうだろうか」という考えがちょうど頭によぎって、ダメ元で私立高校様に営業をかけてみたんです。これがまさにヒットして、今のシステックITソリューション株式会社があります。
石井:奇跡的なV字回復ですね!どのような要素が私立高校様におけるシステム導入の決め手になったのでしょうか?
市:私立高校様は独自のカリキュラムや仕様での運用度合いが高く、要望にあわせてカスタマイズできる校務システムでないとかえって先生方が扱いに困ってしまうんです。
そこで、僕たちが得意とするオーダーメイドのシステム構築力と柔軟な対応力をもって、私立高校様向けに2つとして同じものがない校務システムをご提供し、これ以降、全国延べ126校(2026年5月時点)で導入していただけるようになりました。
石井:素晴らしいですね!例えば、これまでにどのようなご依頼がありましたか?
市:新型コロナウイルスの流行時は発熱で休む生徒さんが急増し、保護者からの電話も殺到したため、どの学校も回線がパンク状態になっていました。
そこで保護者のスマホから欠席連絡ができる仕組みの需要が出てきて、当社でもそういった機能を搭載したシステムを作成し、学校と保護者間で連携が取れる仕組みも構築しました。
現在は欠席連絡だけでなく、お知らせや通知表のデータを保護者にお送りするツールとしてもご活用いただいており、時代に合わせて用途も広がってきています。
石井:時代に合わせて必要なものをどんどん取り入れることができるのはオーダーメイドならではの利点ですね!
導入後も見守り続ける校務システム
石井:ちなみに、現在126校で採用されているとありましたが、導入後の保守管理は他社に依頼されているのでしょうか?
市:いえ、全て自社でまかなっています。
ベースとなるパッケージを基盤にヒアリングを通じて独自の仕様を反映させているので、その後の管理もこちらで進めた方がスムーズなんです。
中身の仕様を理解しているからこそできる提案もあるため、システム開発担当の7名(2026年5月時点)で対応しています。
石井:7名で全国各地の高校のシステム管理をされているとは驚きました!営業担当の方はいらっしゃるのでしょうか?
市:実は当社に営業マンは在籍しておらず、新規の営業担当は未だに代表の僕です。好きでトップセールをやっています笑
自社のパッケージを売ることで市場でのシェアの取り合いをするのではなく、基盤となるパッケージはあれど学校の抱える課題や問題点に合わせてシステムをカスタマイズして、解決へと導く「売らない営業」が僕たちのスタンスなんです。
石井:パッケージ商品にプラスアルファで付加されるオリジナリティが売りなんですね!
市:そうです。全てオーダーメイドのため、私立高校様のカラーに合わせてやりたいことを実現しています。
僕自身が元々、工場の生産管理を手がけていて、こちらは一度システムを構築した後はほとんどアップデートされることなく動かしていただくに留まるのですが、学校は割と頻繁に制度や仕様が変わるので、度々手を加える必要があります。
おかげさまで、かなり安定した経営をすることができていますね。
今後の目標
石井:メインターゲットを私立高校様にシフトしてから大きく業績を伸ばされたかと思いますが、リリース当初から私立にアプローチしなかった理由はあるのでしょうか?
市:最初にいただいた依頼が母校の公立高校様だったこともありますが、都市部と比べると学校数が圧倒的に少なかったからです。
でも、この仕事を始めて分かったのが、東京都は公立よりも私立の方が学校数が多いということと、全国的に都市部は私立の方が人気なことを事業を展開していくなかで知りました。
石井:私立高校は授業料無償化が始まったこともあって、さらなる盛り上がりを見せていますよね。今後の目標についてもお聞かせください!
市:現在は私立高校のお客様だけで90校とお取引いただいていますが、全国にはおよそ1300校の私立高校があるので、まずは全体の10%、130校での導入を目指しています。
石井:目標までもうすぐですね!普段はどのような周知活動を行っていますか?
市:口コミからの流入もありますが、公立高校様ほど横のつながりはないので、先生方が校務システム導入についてインターネット検索をした際に見つけていただけるよう、SEO対策を強化しています。
また、学習系の大手企業様と協業営業も行っているので、そこからの引き合いも増えました。
石井:実際、どこの地域が1番導入件数が多いのでしょうか?
市:一時期は神奈川県がトップでしたが、現在は大阪府や兵庫県の中でも神戸市を中心とする近畿圏が最も多いです。いずれも学校数が多いのも理由として考えられますが、やはり力が入りますね。
石井:僕の母校も兵庫県にあるので、導入していただかないといけませんね。
市:ぜひ、お願いいたします笑
この仕事をする前までは、高校野球を観ていても出身の岡山県の学校を応援するのがある意味当たり前だと思っていましたが、事業を始めてからは自分たちのシステムが入った学校をついつい応援したくなるようになりました。
石井:全国にこれだけ多くのお客様がいるなら毎年楽しみにもなりますよね!
市:毎回大抵複数の導入校が甲子園に出てくるので、導入校同士が戦うこともあるんです。僕にとってはどの学校が優勝しても嬉しいニュースです。
これからも1校でも多くの高校様に僕たちのシステムを活用していただき、「導入して良かった」と言っていただきたいですね。岡山県にはこういう事業をやってる会社があるんだよということも、もっと知ってもらいたいです。
「岡山を代表する企業100選」にご選出いただけたことは、自分たちのやってきた事業が認められたと感じることができたきっかけだったので、存分に活用させていただきます!
石井:ありがとうございます!一緒に岡山から日本全体を盛り上げていきましょう!
システックITソリューション株式会社が見据える教育業界
石井:ここまでは事業の目標についてお話しいただきましたが、教育業界の今後の未来についてはいかがでしょうか?
市:働き方改革が打ち出されてから数年が経ちましたが、未だに約7割の学校が働き方改革がなかなか進んでいない状況で、現代の学校環境は疲弊状態にあります。これを僕たちのシステムでなんとかしていかないといけないなと思っています。
校務システムを通じて少しでも現場の先生の負担を軽減し、空いた時間を生徒との時間にしてもらえるよう、そして巣立っていった生徒さんが「あの学校でよかった」という気持ちで、先生方に教えてもらったことを社会に還元できるような大人になってくれたらこれ以上に嬉しいことはありません。
石井:この校務システムの導入によって生徒さんにも大きなメリットがもたらされたら嬉しいですね!私たちも教育から地域の子どもたちを支える「MILCプロジェクト」を打ち出したので、共感しかありません!
※「MILCプロジェクト(Made In Local for Children)」とは
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」を活用し、地方の教育・子育て支援に「地域を代表する企業100選」選出企業の力を届ける官民連携プロジェクト。
https://madeinlocal.jp/milc-project
市:僕たちも教育業界そのものを変えたいという気持ちはあれど、それがなかなか難しいからこそ先生方を支える方に回ったので、株式会社IOBI様がリリースされた「MILCプロジェクト」が学校教育に関する取り組みにも通じる部分があると感じていました。
今日はお会いできて本当によかったです。
石井:これから「MILCプロジェクト」でつながっていく行政の方や企業様は皆さん、未来を担う子どもたちのために何かしてあげたいと思っている方ばかりなので、IOBIとしてもお手伝いさせていただきたいです!
こちらこそ、素敵なお話をありがとうございました!
【会社概要 / システックITソリューション株式会社】
所在地:〒708-0824 岡山県津山市沼6-8
事業内容:システム開発
創業:2015年
代表取締役:市 克吉
URL:https://systech-its.co.jp/
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