食品工場の修繕・設備改善を支える「もう一人の工務担当者」|株式会社北浦工務店×豊味食品株式会社様 インタビュー

創業から長きにわたり、液体・粉末調味料の製造・販売を手がける豊味食品株式会社様。大手食品メーカーや外食企業の調味料を、小袋からドレッシングなどのペットボトル製品、業務用の斗缶まで、幅広くOEMで製造しておられます。
同社では、取引先の生産状況に合わせて各部門の生産量も変化するため、設備の導入や増築、修繕・改善などが頻繁に発生するといいます。こうした背景から、北浦工務店とはここ数年にわたり、大小さまざまな工事や改善について相談・依頼をする関係が続いています。

今回は、豊味食品様の製造部次長・工務課長の竹之内様、製造部部長の山本様、次長の辻井様、課長の吉村様にお話を伺いました。

食品工場の修繕・改修に関する企業概要と課題・提案



豊味食品株式会社様 企業概要
本社:〒610-0102 京都府城陽市久世荒内183-1
事業内容:調味料、食品添加物の製造販売
従業員数:151名(2026年9月)
URL:https://houmi.co.jp

【お客様の課題】
・取引先の状況により生産量が変動し、都度増改築を重ねてきた結果、配管・設備が複雑化
・建物や配管設備が複雑に入り組んで、メンテナンスも容易にできない状況
・効率よく空気を外に排出できていなかったため、室内は高温の状態が続き、過酷な環境だった

【北浦工務店の提案と対応】
・既存設備や工場の使われ方まで確認し、不具合の原因を特定した上で工事方法を提案
・将来的なメンテナンスや増設を見据え、配管の移設や取り外し可能な構造に改修
・給気・排気のバランスを見直し、空気の流れを整えた上で段階的に空調設備を追加

お客様インタビュー:豊味食品株式会社様 

高い品質基準を保つためには、日々の修繕・改善が欠かせない



創業時より液体調味料の製造を一貫して手がけてきた豊味食品様。事業の98%がOEM商品の生産という、食品企業・外食企業からの信頼が厚い企業です。

さまざまな取引先の製品を手がける同社では、取引先からの発注状況により、製造部門ごとの生産量が変わり、その都度、工場に生産機械を導入したり、必要なスペースを拡張・増設・増築したりと、少しずつ姿を変えてきました。一方で、工場の増築や設備の導入を繰り返したことで、配管系統も非常に複雑化したといいます。増築に合わせて新たな配管が加わり既存の配管と入り組んだ状態になっていたため、一度水漏れなどが発生すると、どこが原因なのかを特定するだけで一苦労。修繕を行うにも、まず不具合箇所を探すところから始めなければならない状況だったそうです。

また、取引先による監査が月に数回実施されるという性質上、製造内容によっては建物や設備について改善点が挙がってくることも。加えて、食品安全の国際規格であるFSSC22000という高い認証を取得しているため、工場内の環境をより高い水準に保つためにもこまめな修繕が欠かせません。

さらに同社では、社員一人ひとりに年間2件を目標とした改善提案の提出を求める仕組みを設定。優れた提案は提案者の評価にも反映されるため、「もっとこうすれば効率が良くなる」という現場発の生の声が日常的に上がってくる環境です。
こうした現場からの要望や、監査で指摘された改善点などは、年間の予算や優先度を踏まえて対応していきます。特に環境面の不備・不具合については、製造部の担当者から竹之内様に相談が入り、竹之内様が窓口となって取りまとめ、北浦工務店へ相談する流れが定着しているといいます。

圧倒的なスピード感と引き出しの多さが、相談しやすさにつながっている


その日のうちに答えが返ってくる対応力の高さ


北浦工務店への相談は、一度の大きな工事にとどまらず、細かなことまで含めるとほぼ毎週のように発生するといいます。
なかには「このエリアが暑い」「作業動線が不便」「この扉が使いにくい」といった、まだ具体的な依頼になっていないような段階のお話も寄せられます。
こうして気軽に相談できる理由の一つとして、「気になる箇所の写真や動画を送ったら、考えられる原因と解決策を、早ければその日に返事をくださいます。見積もりも、小さな修繕程度なら翌日に出していただけることも。北浦社長はスピード感が他社さんとは全然違うので、話が進みやすいんです」と山本様は話してくださいました。

また、既存の扉を「片手で開けられるようにしたい」という相談に対して、通常であれば自動ドアなどの方法がありますが、北浦社長からの提案は「ワイヤーを使って開閉できる引戸にする方法」だったそうです。食品工場の特性上、他の工場よりも建物や内装に負荷がかかりやすく、いくら新しいものを取り付けてもいずれ修繕の必要が出てくることは避けられません。そこで、費用をできるだけ抑えて、困っている問題をクリアするという方法を提案されたといいます。

「私たちが『こういうことをやりたいんです』『こういうことに困っているんです』と言ったとき、コストや使い勝手、先のメンテナンスまで、いろんな角度から提案していただけるので、工場の専門家ならではの引き出しの多さには毎回驚かされます」と竹之内様。


建物の内側まで理解しているからこその、的確な判断


豊味食品様では、工場の修繕や改修が発生した都度行うのではなく、年間の予算や優先順位を踏まえながら、工事の計画を立てておられます。
大きな改修は他の工事とのタイミングも見ながら計画的に進め、必要な箇所には適切なタイミングで手を入れる。一方で、日々の小さな不具合や改善については、その都度相談する。大小様々な工事の相談が寄せられるのは、これまで、どこにどんな工事をしたのか、設備や建物がどのような構造になっているのか、建物の内側まで北浦社長自身が理解しているからこそ。

目の前の相談だけでなく、「ここは今直したほうがいいですね」「ここはもう少し先でいいんじゃないですか」といった判断も含めて、納得のできる提案がもらえるといいます。
竹之内様は、「私たちではわからない、建物の内側や見えないところまで分かってもらえています。それがあるから、何かあったときにはまず北浦さんに聞いてみよう、となるんです」と話してくださいました。

増改築を繰り返した老舗工場ならではの悩みを解決してくれました

室温40℃以上、湿度100%という過酷な環境を、空気の流れを改善して解決


同社の小袋仕込み室では、調味料の原料を95℃まで加熱する大型の釜が9機稼働しています。大量の調味料を一度に煮込むため、室内には常に大量の蒸気が発生。室温40℃以上、湿度100%という高温かつ高湿度の過酷な環境で、たった半日の作業で、長靴の中がボトボトになるほど汗が溜まっていたそうです。

相談を受けて調べたところ、既存設備は天井換気扇2台・壁換気扇3台に対し、給気扇はわずか2台。さらに、換気扇の位置にも課題があり、人が立つ高さより低い位置に給気扇が設置されていたため、スムーズに空気を排出する流れが作られていなかったそう。そのため、空間の上部にたまった熱い空気はいつまでも排出されず、外から取り込んだ空気や大型の冷房で冷やしていた空気は全て外に排出されるという状態でした。

そこで北浦社長は、窓2箇所を大型の給気扇に改造し、給気と排気のバランスそのものの見直しを実施。室内を「陽圧化」し、外から積極的に空気を取り込むことで、熱や湿気を押し出す気流をつくりました。その結果、体感温度は3℃以上低下。翌年には、このときにつくった気流を活かせる位置に空調機を追加設置し、さらに効率よく室温を下げることに成功したそうです。


天井裏に潜む配管トラブルを、取り外し可能な天井で解決


また、工場の天井裏には、電線・給水・蒸気配管など様々な配管系統が密集していたため、建物の工事の際だけでなく、設備や電気工事を担当する業者にとっても、修繕のたびに作業場所へたどり着くこと自体が難しい状態が続いていました。

当初、豊味食品様からの相談は「点検口をつけてほしい」ということでしたが、北浦社長からは「天井全体を取り外し可能な構造に変えましょう」という提案が。メンテナンスのために点検口から無理やり修繕箇所を探すのではなく、ビスを外すだけでパネルごと着脱でき、必要なときに、必要な箇所を開けてメンテナンスができる仕組みに変えたそう。

「天井を全部外せるようにする、という発想は聞いたことがなかったので、『そんなことができるのか』と驚きました」と竹之内様は振り返ります。

工場のことならまず、北浦社長に。頼れる工務担当者のような存在です



北浦工務店が関わるのは、建築・設備の工事だけではありません。工務店に頼むのか、設備業者に頼むのか、判断がつきにくいような場合には、まず北浦工務店に相談を持ちかけるといいます。

「北浦社長は食品工場に対する知識や経験が豊富だから、以前別の会社さんでこのように解決したことがある、など具体的な例を出してくださいます。また、約5年にわたって当社の設備や建物だけでなく、工場の使い方や特徴、どこまでの修繕を望んでいるかを知ってくださっているので、目の前の工事だけでなく、先を考えた提案をいただくことができています」と竹之内様。

創業以来、増改築を重ねながら事業を広げてきた豊味食品様。工場の設備や生産体制がこれからも変わっていく中で、建物のことを深く理解した上で一緒に考えてくれる相手がいることについて、山本様は「単なる外部の工事業者という感覚ではなく、北浦社長はもう当社の頼れる工務担当者という立場でしょうか。心強いですね」とお話しくださいました。

【施工詳細】豊味食品株式会社様 主な修繕箇所の技術的課題と解決策

小袋仕込み室の環境改善


95℃まで加熱する釜9機の稼働により、室内が高温多湿に。加えて、既存の換気扇に対して給気扇が不足し、給排気のバランスが悪く空気の入れ替えが機能していなかった。窓2箇所を大型給気扇に改造。人の高さより上に熱を逃す気流を形成した。翌年にはその気流を活かせる位置に空調機を追加設置し、体感温度を3℃以上低下させた。

排水路改修
増改築により、排水の流入経路・性質が変わり、高温・塩分・糖分・酸性が混ざり合うなど既存の排水路の想定を超えてしまった。清掃だけでは改善が難しい状態と判断し、最も負荷のかかる底面にのみステンレスの半割パイプを採用。コストを抑えながら、角のない形状で詰まりにくく衛生的な排水路を実現した。

蒸気本管移設工事
増改築によりボイラー室からの蒸気配管が屋根裏や電線束の裏側に隠れ、漏れが起きるたびに特定・補修に手間と費用がかかっていた。他の改修工事のタイミングに合わせて配管を室内に取り込み、シンプルなルートへ移設。点検性の向上、仮設足場の不要化、補修にかかる人員・時間の削減を実現した。

ペット仕込み室の空調・気流改善
天井が低く細長い形状のため、空調機を設置できる場所が限られていた。10m先まで冷風が届く特殊な空調機を設置し、既設の給気口を排気口に変更する運用調整を行うことで、気流を部屋の奥まで誘導。最小限の機器追加で、空間全体の冷房効率を高めた。

天井改修工事(仕込み室前通路)
天井裏に電線・給水・蒸気配管が密集し、トラブル発生時に作業場所へ到達することや点検口の新設すら困難な状態に。天井全面を、取り外し可能なパネル状の天井へと改修。通常時は断熱性・密閉性を保持しながら、必要な箇所だけを開放してメンテナンスできる仕様に変えた。

【株式会社北浦工務店について】大阪の工場リフォーム・修繕専門企業


創業から45年の実績を持つ工場リフォームの専門企業。建築業界に根強い分業制の課題を解消するため、プランニングから施工管理までを自社で一括して担うワンストップ体制を確立。中間マージンを排除し、熟練の職人とお客様を直接つなぐことで、適正価格かつ高品質な施工を提供する工場の医者として、多くの生産現場を支えている。

Made In Local(株式会社IOBI運営の地方創生メディア)の「大阪市を代表する企業100選」に選出。(https://madeinlocal.jp/category/companies/osaka023)

・著書のご紹介

代表取締役・北浦久夫 著 『目指せ!工場修繕やり直しゼロ ― 元職人社長が現場から伝える“もったいない工事”回避法』(2025年6月24日発売)

現場での実体験を基に、費用対効果の高い改修提案やメンテナンス性を考慮した工事の秘訣を公開。日本のものづくりを支える工場の最適化に向け、プランニングコンサルティング事業も展開している。


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