こんにちは！学生ライターのさくらです！

中学時代は演劇部に所属し、舞台に情熱を注いでいた私が今回注目したのは、岐阜県に伝わる多くの地芝居（じしばい）です。
地域の人々に長年愛され続けてきたこのお芝居の魅力を、演劇好きの目線から深掘りしていきます！

岐阜は地芝居大国！？

そもそも地芝居って何？

地芝居とは、プロではない地元の人々が演じる芝居の総称で、歌舞伎・文楽・能狂言・獅子芝居等を含みます🎭
その特徴は、ただ演じるだけでなく、振付・化粧・衣裳から楽器の演奏や舞台の道具にいたるまで、すべてを地元の人々が自ら準備するところです！

また観客も、ただ鑑賞するのではなく、「大向こう」と呼ばれる掛け声や、「おひねり」として小銭を包んで舞台に投げ入れるご祝儀を通じて、舞台に積極的に参加するのも特徴です！

会場が一体となって「自らつくりあげる地芝居」は多くの人々を魅了する、まさに現代へと続く伝統文化です！

岐阜県の地芝居

岐阜県は全国的にみても地芝居が盛んな地域です。現存する芝居小屋や舞台では、安土桃山時代や江戸時代から受け継がれてきた演目や振付が、今もなお演じられています。中には、大歌舞伎では演じられなくなった演目も伝承されています！

ここまでの内容ではなぜ岐阜県では地芝居が多く残っているのか、不思議に思いますよね💭
その謎を探りに、岐阜県の歴史に迫っていきましょう！

歴史から見る地芝居

地芝居が岐阜県に根付いたワケ

江戸時代、農民たちが最初に触れた演劇は、能の合間に演じられる「狂言」でした。舞が中心の能に比べて、登場人物同士が会話を繰り広げる狂言はストーリー性があり、人々はその中に娯楽の要素を見出していきます。

やがて江戸時代の前期から中期にかけて、現在の岐阜市でも芝居の興行が始まり、伊奈波神社（いなばじんじゃ）の前には芝居小屋が建てられたという記録が残っています。この動きは次第に岐阜県全体へと広がりました！

江戸時代に平和な生活が続くと、人々は演劇に娯楽性を求めるようになり、芝居は庶民文化として浸透していきます。こうして、地域に根ざした地芝居が岐阜県各地で次第に発展しました✨

地芝居という名

農民たちは、さまざまな演劇を観ることを楽しむようになり、江戸時代以降になると、「芝居をする」「芝居を見る」といった言葉が日常的に使われるようになります。芝居は単なる娯楽にとどまらず、人々が自ら演じる文化へと発展していきました🌟

こうして岐阜県では、歌舞伎・文楽・獅子芝居、さらにはその源流ともいえる能や狂言といった多様な演劇が地域に根づき、受け継がれてきました。そして、それらを地元の人々自身が演じるという特性から、「地芝居」と総称されるようになったのです！

岐阜県の地芝居

ここでは、岐阜県の2つの地芝居についてお伝えします！

①獅子芝居

獅子芝居は、女性の主人公が獅子の面を付けて歌舞伎を演じるもので、発祥の地は愛知県の三河地方だと言われています。

美濃・飛騨地方には江戸末期から明治にかけて伝わりました。

岐阜県の羽島郡岐南町伏屋では、「伏屋の獅子芝居」と呼ばれる独自の芝居が発展しました！

②地歌舞伎

江戸幕府の直轄領でもあった現在の可児市(かにし)では、1684年に村民が「踊狂言」を上演しました。これは踊狂言と呼ばれていますが、地元の人々の配役による地歌舞伎であると見られ、岐阜県内で最も早く行われた地歌舞伎上演だと考えられています。

現在、地歌舞伎保存会は、東濃地方を中心に32団体が岐阜県地歌舞伎保存振興協議会に加盟し、活動しています！

美濃歌舞伎保存会では、例年9月の最終金曜日・土曜日に公演を行っています！
詳細は、リンクからチェックしてみてください！

🔗美濃歌舞伎保存会
https://jishibai.pref.gifu.lg.jp/modules/organization/index.php?action=PageView&page_id=9

おわりに

いかがでしたか？
今回は岐阜県に伝わる地芝居についてお伝えしました！

岐阜県各地では、現在もなお定期的に地芝居が行われています！
興味を持たれた方は、ぜひ今後岐阜県に地芝居を見に訪れてみてはいかがでしょうか？

最後までお読みいただきありがとうございました！

参考

地芝居大国ぎふ　WEBミュージアム
https://jishibai.pref.gifu.lg.jp/
伏屋の獅子芝居[ふせやのしししばい]
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/6755.html
獅子芝居って何？なぜ岐阜県に根付いた？伏屋獅子芝居の公演から見えた魅力と継承活動
https://omatsurijapan.com/blog/gifu-shishishibai/#i-3