初めてSDGsを意識するようになったのは、今から5年ほど前のことです。その時私は地元の青年会に所属していたのですが、そこでSDGsの取り組みが推進されていたことで興味をもつようになりました。弊社がある和歌山県御坊市は海山川の綺麗な場所で、都市部にはないありのままの自然を維持していく必要性も感じていたことから、自分もSDGsに取り組みたいと考えるようになりました。

SDGsの枠組みの中で言うと、私たちは「8.働きがいも経済成長も」「10.つくる責任つかう責任」という目標達成に向けた取り組みをしています。しかしこれらの取り組みはSDGsに取り組むために新たに始めたものではなく、私たちの事業そのものがSDGsのゴール達成に繋がるものであったと言った方がふさわしいです。例えば我々は伝統的な染物の技法を守りながらも多様な新しいデザインを考案し、商品の付加価値を上げることを通して、仕事への熱量と経済的成長の両立を目指しています。

SDGsに取り組むにあたって一番の課題だったのは、自分の取り組みをどのように社会に伝えていくか、ということです。世界的な取り組みであるSDGsについて自分なりの言葉にして人々に伝えていくのはとても難しいと感じました。SDGsという枠組みは、扱い方によっては非常にふんわりしたものになってしまいがちです。それを自分の信念と結ぶ付けて行動に移していくことが大切なのだろうと思います。

私たちと同じような中小企業でSDGsに取り組んでいる方々に伝えたいこととしては、「一緒に頑張ろう」という一言に尽きます。日本に存在する企業の90%以上は中小企業です。私たち一人一人の行動がもたらす影響は小さいとしても、一人一人が取り組めば日本全体を動かす大きな力を生み出すこともできます。私の取り組みがその大きな力の先駆けになることができれば幸いです。