養殖屋

    地域社会や地球全体に貢献できる持続可能な養殖技術の確立を目指しています。

    株式会社養殖屋は閉鎖循環式室内養殖での海ぶどう生産および養殖技術向上を目指すとともに、株式会社シナジーブリーディング(本社:大阪府大阪市、代表取締役 中本雄三)およびゼブラファーム株式会社(代表 木村太一)とともに、コンテナ型海ぶどう生産システムおよび海ぶどう需要の拡大を目指します。さらには、コンテナ型海ぶどう生産システムに対して、電気や熱などのエネルギーの自立(オフグリッド化)機能を開発・付与することで、災害時や世界の貧困地域でも活用できるオフグリッドモデルの開発を進めてまいります。

    企業のこれまでとこれから

    御社の創業から現在に至るまでの歴史について、転換点となった出来事を含めて教えてください。

    1950年祖父が真珠養殖を始めました。祖父は几帳面で頑固なところがある方でした。1990年には父がアコヤ貝種苗生産事業を始めました。アコヤ貝の大量斃死などが転機となり父が独学で研究し始めた事業で大量斃死に打ち勝つ貝の生産を実現しました。1999年に私が家業を継ぐ為三重県志摩市に戻りました。学んできた化学を水産業に取り入れて品質の向上と安定生産を実現し、業界シェアNo1、業界品質もNo1を実現しました。しかし真珠養殖業界は環境や世界情勢にも左右され国内生産高は右肩下がりで労働者も高齢化が進み業界の縮小が必至である事が目前であった事で、新たな事業の模索を数年間繰り返す中で出会ったのが海ぶどうでした。2006年に私が独学で研究し本州では初の海ぶどう陸上養殖に成功しました。そして2008年、株式会社養殖屋を設立。生産から販売まで6次産業として海ぶどう事業を拡大。順調に思えた海ぶどう事業でしたが、2019年温暖化を始めとする環境変化が限界を迎えて、陸上養殖とは言え目の前の海から海水をかけ流して養殖する方法が限界に達しました。さらに2020年コロナウィルス感染拡大により、海ぶどうを卸していた近隣のホテルや飲食店なども閉鎖され販売先を失ったのです。私は同年4月から海ぶどうの陸上養殖生産をやめて環境に左右されない安定生産ができる養殖の研究に乗り出しました。そして1年間の研究の末、閉鎖循環式室内養殖を確立させ、2023年には特許を取得いたしました。

    御社の現在の事業の強み・特徴これからの展望について教えてください。

    閉鎖循環式室内養殖は、これまでの陸上養殖とは違い、自然光(太陽光)や海の水質変化などに左右されず安定した環境を室内で作り出すことにより、より安定した生産が可能になったシステムです。またこのシステムの考案にあたり従業員の労働環境の改善として、暑さ、重労働、労働時間、労働人数を大幅に改善しました。さらに海ぶどうの品質も向上し計画的な生産販売が可能になりました。そしてこのシステムとノウハウをひとつにまとめて組み込んだコンテナを販売できるようになったことと、海水のない場所でも養殖ができるように人工海水での養殖技術を確立させました。これにより場所を選ばない、内陸部でも海ぶどうの養殖ができるようになりました。現在全国の15カ所に展開しております。今後は年間10カ所を目標に展開し、全国どこででも海ぶどうが食べられるようになると考えています。また海ぶどう以外の海藻の養殖を同じシステム設備を用いてできるように現在研究開発しております。海外からも多くの問い合わせをいただいていることから、海外へも展開できるシステム設備としていきたいと考えています。

    企業から見た地域の魅力について

    御社から見た三重地域の魅力について教えてください。

    伊勢志摩は豊かな自然に恵まれた地域で、四季折々の新鮮な魚介類や山の幸が豊富に揃っており、古くから独自の食文化が育まれてきました。また、伊勢神宮をはじめとする歴史ある神社仏閣や風光明媚な景勝地も多く、年間を通じて多くの観光客が訪れる魅力的なエリアです。こうした地域資源を活かすことで、訪れる人々に強くアピールできる立地であり、観光と地場産業が連携すれば、多くの可能性を広げることができる地域だと感じています。

    企業が求める人材像について

    御社に応募していただきたい人材像について、具体的に教えてください。

    現在働いている従業員には水産業の経験がない方も多く、前職が保育士や販売員など、多岐にわたる異業種からの転職者の方々がいらっしゃいます。私たちは経験よりも共感や意欲を大切にしており、「生き物が好き」「育てることにやりがいを感じる」「自然の中で働いてみたい」「自分たちの手で自然環境を改善・保全したい」といった想いをもった方を大歓迎しています。現場ではなんと猫も3匹、スタッフとして元気に“働いて”います。

    ひとを知る

    代表取締役社長
    前田勉

    愛知工業大学で応用化学を学び卒業後は電気関係の企業に就職しましたが、24歳で家業の真珠養殖を継ぐために志摩市へ戻り地域特産品の創出と海(英虞湾)の環境を改善し守りたいという強い想いから、33歳で本州初の海ぶどう陸上養殖に成功して株式会社養殖屋を設立しました。現在では技術と設備をコンテナにすべてインクルードした閉鎖循環式室内養殖で特許を取得し、全国に展開中(15企業導入)です。

    SDGsへの取り組み

    • 【9】磯焼けなどで海藻資源が枯渇してしまう前に、陸上養殖の技術を確立させる。
    • 【13】磯焼けなどにより天然資源の枯渇があります。まだ資源があるうちに陸上で養殖方法を確立しその生態の解明が急務です。室内養殖では環境や季節に左右されない養殖実験ができるのでスピード感をもって養殖確立と生態解明をしその知見を自然に還元できるものと考えます。
    • 【14】海を富栄養化させてしまう養殖ではなく、海ぶどうが必要な成分を必要な量だけ与える精密栄養管理法によって海を汚さない養殖方法を実施しています。

    企業プロフィール

    企業名株式会社養殖屋
    所在地517-0503
    三重県志摩市阿児町立神1253
    創業年2008年創業
    代表者代表取締役社長 前田勉
    事業内容
    • 水産養殖業
    WEBサイトリンクはこちらから
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