NO1 LOCAL REVITALIZATION MEDIA IN JAPAN

私たちの暮らしに必要不可欠なは一体どこからやってくるのか考えたことはありますか?

日常生活で水を飲むとき、手を洗おうとするとき、日本では蛇口をひねると水道から出た綺麗な水をすぐに使うことができますよね。

実は、日本のように水道から出た水を飲める国は、世界の中でも10ヶ国前後で、とても少ないのです。

そんな美しい水が流れ出る「水源」は、森林の働きによって守られているのです!

ということで、今回は水源の森百選について詳しく探っていきましょう!

「水源の森」って何?


いきなり、森は水源になっていると言われてもなかなかイメージが湧きませんよね。
まずは、水源の森の仕組みについて簡単に見ておきましょう!

森林には「水源涵養機能(すいげんかんようきのう)」という機能があり、主に以下の3つの働きをしているのです。

①水を貯える


健康な森林では、土の中に生息する微生物等の働きにより、保水力の高いふかふかの土壌が作られます。

そして、森林に降った雨は、この土壌を通って地中深くに貯えられ、地下水となって川へ流れ出るのです。

②洪水を緩和する


①の貯水の働きによって、川に流れる水の量が緩やかになることで、河川の急激な増水が緩和されています。

併せて、森林を形づくる樹木やその根のおかげで、土砂が流出するのを防ぐ効果もあるのです。

③水を綺麗にする


森林に降り注いだ雨は、地中にゆっくりと染み込む間に①で紹介した土壌を通ることで、小さなごみなどの汚れが少しずつ取り除かれて、だんだんと綺麗な水になります。

森林は、「緑のダム」と呼ばれるくらい、水源の森としての大きな役割を担っているのです🌳

水源の森百選の選定について


水源の森という言葉の意味を知っていただいたところで、水源の森百選選定について解説していきます🔍

選定のきっかけ


森林には、先ほども紹介したように災害の影響を緩和したり、綺麗な水を提供したりするような機能はもちろんのこと、人を癒すような効果もあり、様々な面で私たちの生活を支えている存在です。

これからも快適で、安全な暮らしを維持していくには森林の存在が欠かせないものです。

そこで、昔から水を得るために守られ、水と一体となった森林空間をこれからも守り育てていくために平成7年に林野庁によって選定されたのが水源の森百選なのです!

水源の森百選には、森林の役割を一般の人々に紹介し、理解を深めてもらおうという想いも込められています!

選定基準


各都道府県知事に推薦された候補地の中から、水源の森百選」検討委員会が大きく分けて3つの選定基準に基づいて百選を選びました!

選定基準は以下の通りです。


①以下のいずれかに該当する森林であること。

⑴地域住民が使用する飲料水・上水道原水・農業用水等の取水源として利用されている水源と一体となってその周辺にある森林

⑵水源と一体となって快適な環境を形成し、地域住民や都市住民のレクリエーション・教育の場となっている森林、又は魚付き等により良好な農水産業の生産環境を形成している森林

②森林の有する水源かん養機能を維持・向上させるため、森林の保全・整備が適切に実施され、かつ、今後とも適切に実施されることが確実であると見込まれる森林であること。

③森林と水源とがすぐれた環境を形成していること、人と自然とのふれあいの場となっていること、歴史上又は文化上価値の高いものであることなどの評価すべき特徴を有する森林であること。


ただ水源となっている森林であれば良いのではなく、「人との繋がり」や「水源の森を未来にも守り繋げたい」という想いが大切にされていることが分かりますよね!

「水源の森百選」から3ヶ所をご紹介!


ここまでで、水源の森百選がどのようなものか、なんとなくお分かりいただけたのではないでしょうか?

そこで、より具体的に水源の森百選について知っていただくために、百選に選定されている水源の森を3ヶ所ご紹介します!

皆さんのお住まいの県の水源の森も登場するかもしれません!

①笛吹川水源の森(山梨県)


1ヶ所目は、山梨県の「笛吹川水源の森」です!

山梨県は、県土の約8割を森林が占めており、県内だけでなく東京都や横浜市など各地の水源になっている森林もあります。

その中でも笛吹川水源の森は、山梨県の特産品として有名なぶどうももなどの果物の生産地域に供給する水の水源として知られています。

果物王国山梨を支える重要な水源の森ということですね🍑

笛吹川水源の森の特徴はこれだけではありません!

実は、この笛吹川水源の森森林と渓谷の美しさで有名で、「秩父多摩甲斐国立公園」として国立公園やユネスコエコパークにも指定されています。

この「秩父多摩甲斐国立公園」内には、ニホンカモシカやツキノワグマなどの生物が生息していたり、昔から山岳信仰の対象となっていた山があったりと、自然・歴史を感じるのにぴったりな森とも言えます。

登山やハイキングなどもできるので、実際に足を運んで笛吹川水源の森の雰囲気を感じてみるのも良いですね!

笛吹川水源の森
データhttps://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/attach/pdf/index-44.pdf

秩父多摩甲斐国立公園https://www.env.go.jp/park/chichibu/index.html

②比叡山の森林(滋賀県)


2ヶ所目は、滋賀県の「比叡山の森林」です!

天台宗の総本山延暦寺があることで知られる比叡山の森林も、水源の森百選に選ばれています。

琵琶湖の南西岸に位置する比叡山は、生活用水や農業用水を供給することはもちろん、滋賀県のランドマークである琵琶湖の水源としても重要です。 

西暦1200年の昔から霊山として信仰や修行の場であり、区域内には樹齢300年を越えるスギの巨木も見られます。

天台宗の深い歴史と自然の織りなす神秘性が魅力的ですね!

また、比叡山の森林の注目すべきポイントの1つに「比叡山森林継承プロジェクト」があります!

比叡山は、「比叡山=山=延暦寺」という捉え方で、つまり森林を含めた山全体が延暦寺と考えられてきました。そのため、延暦寺では「御山を御大師様の体と思い、御山の木々を御大師様の衣と考えよ」という意識のもとで森林を管理する作業を行うことが伝統になっています。

この想いや活動を未来にも繋いでいこうというのが「比叡山森林継承プロジェクト」なのです🌳

延暦寺に観光に行く際は、周りの森林も含めて堪能してみてください!


比叡山の森林
データhttps://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/attach/pdf/index-58.pdf

比叡山森林継承プロジェクトhttps://www.hieizan.or.jp/forest

③綾の照葉樹林(宮崎県)


3ヶ所目は、宮崎県の「綾の照葉樹林」です!

綾の照葉樹林は、日本で最大面積の照葉樹林として知られており、九州中央山地国定公園やユネスコエコパークに指定されており、ここで育まれた水は綾町などの地域の水道や農業用水として利用されています。

そんな綾の照葉樹林の魅力は、なんと言っても「照葉大吊橋」です。

高さ142m・長さ250mの吊橋で、観光のためのモニュメントというだけではなく、日本最大級の照葉樹林を普段見ることのできない真上の視点から眺めることで、自然のすばらしさを感じてほしいという想いから設置されました。

この高さからも分かる通り、スリル満点の体験ができます!

吊橋を渡り切ったあとは、自然遊歩道が約2kmほど続いているため、照葉樹林が生み出す自然を歩きながら五感で感じることが出来ます。

自然遊歩道は、山の斜面に沿って作られており、木々に囲まれた自然環境なので、足を運ぶ際は動きやすい服装や虫除け対策をしていくことがおすすめです!

綾の照葉樹林
データhttps://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/attach/pdf/index-96.pdf

照葉大吊橋
営業時間:8:30~18:00(4月~9月)8:30~17:00(10月~3月)
入園料:小中学生 350円・高校生以上 500円
公式HPhttps://www.town.aya.miyazaki.jp/site/tour-guide/1099.html

「水」について考えてみよう!


ここまで、水源の森百選について解説してきましたが、皆さんは普段自分が使っている「」について考えたことはありますか?

当たり前のように私たちの生活にあるので、わざわざ考える機会も少ないですよね。

実は、日本では「水の日」が法律で定められているのです!

毎年8月1日を「水の日」、そしてこの日を初日とする1週間は「水の週間と定められており、水に関するイベントなどが開催されています。

皆さんも、「水の日」に普段使っている水について調べたり、自身が住んでいる地域の水源の森に足を運んでみたりと水と関わる体験をすると良いかもしれませんね!

おわりに


いかがでしたか?

私たちが普段使っている水の源は森にあるということが分かりましたね!
日本の綺麗な水の裏側には、その数だけ美しい森があるということです。

美しい水源の森を守っていくためにも、水は循環しているということを忘れずに、日常生活で気をつけながら水を使っていきたいですね💧

皆さんも普段自分が飲んだり、使ったりしている水がどこから来ているのか、その水源について考えてみてください!

それでは、また次のニッポンの百選記事でお会いしましょう👋

「水源の森百選」一覧

北海道・東北地方


001 奥定山渓国有林水源の森(北海道札幌市)
002 亀田川水源の森(北海道函館市)
003 当別水源の森(北海石狩郡道当別町
004 青垣の山(青森県東津軽郡平内町)
005 町民の森(青森県三戸郡田子町)
006 焼石連峰水源の森(岩手県奥州市)
007 早池峰水源の森(岩手県遠野市ほか)
008 沼ヶ森水源の森(宮城県栗原市)
009 谷山水源の森(宮城県柴田郡村田町)
010 大滝沢国有林(秋田県湯沢市)
011 白神山系水沢川源流の森(秋田県山本郡八峰町)
012 七滝水源かん養保安林(秋田県仙北郡美郷町)
013 不動沢水源林(山形県山形市)
014 月山行人清水の森(山形県西村山郡西川町)
015 水源の森 高清水(福島県南会津郡南会津町)
016 蓋沼水源の森(福島県大沼郡会津美里町)
017 遠藤ヶ滝水源の森(福島県安達郡大玉村)

関東地方


018 八溝水源の森(茨城県久慈郡大子町)
019 入山・細野水源の森(栃木県宇都宮市)
020 高原山水源の森(栃木県塩谷郡塩谷町ほか)
021 七千山水源の森(栃木県那須塩原市)
022 桐生川源流林(群馬県桐生市)
023 赤城水源の森(群馬県沼田市)
024 奥利根水源の森(群馬県利根郡みなかみ町)
025 日本水の森(埼玉県大里郡寄居町)
026 城峰神の泉水源の森(埼玉県児玉郡神川町)
027 清和県民の森(千葉県君津市)
028 東京水道水源林(東京都奥多摩町ほか)
029 奥多摩町川乗水源林(東京都西多摩郡奥多摩町)
030 檜原村都民の森水源林(東京都西多摩郡檜原村)
031 東丹沢県民の森(神奈川県愛甲郡清川村)
032 横浜市有道志水源林(山梨県南都留郡道志村)
033 足柄・桧山水源林(神奈川県南足柄市)

中部地方


034 朝日スーパーラインふるさとの森(新潟県村上市)
035 ありみね(富山県富山市)
036 利賀ふれあいの森(富山県南砺市)
037 赤祖父山のブナ林(富山県南砺市)
038 小原山水源の森(石川県白山市)
039 宝達山水源の森(石川県羽咋郡宝達志水町)
040 八ヶ峰水源の森(福井県大飯郡おおい町)
041 九頭竜国民休養の森(福井県大野市)
042 上根来水源の森(福井県小浜市)
043 御岳昇仙峡水源の森(山梨県甲府市ほか)
044 笛吹川水源の森(山梨県山梨市)
045 小金沢水源の森(山梨県大月市)
046 横川山(長野県岡谷市)
047 千曲川源流の森(長野県南佐久郡川上村)
048 奥裾花(長野県長野市)
049 青少年の森(岐阜県山県市)
050 馬瀬黒石水源の森(岐阜県下呂市)
051 大浅柄山水源の森(岐阜県郡上市)
052 天子の森(静岡県富士宮市)
053 天城山水源の森(静岡県賀茂郡河津町ほか)
054 函南原生林(静岡県田方郡函南町)
055 段戸裏谷原生林(愛知県北設楽郡設楽町)
056 愛知県民の森(愛知県新城市)

近畿地方


057 西教山水源の森(三重県伊賀市)
058 比叡山の森林(滋賀県大津市)
059 上の荘の森(滋賀県長浜市)
060 与保呂水源の森(京都府舞鶴市)
061 武地谷水源の森(京都府京都市)
062 鞍馬山・貴船山(京都府京都市)
063 川久保水源の森(大阪府高槻市)
064 奥山雨山自然公園(大阪府泉南郡熊取町)
065 音水水源の森(兵庫県宍粟市)
066 鶴ヶ池の森(奈良県宇陀市)
067 護摩壇山自然の森(和歌山県田辺市)

中国・四国地方


068 芦津水辺の森(鳥取県八頭郡智頭町)
069 出立山町民の森(鳥取県日野郡日南町)
070 玉峰山水源の森(島根県仁多郡奥出雲町)
071 八川水源の森(島根県仁多郡奥出雲町)
072 岡山県立森林公園(岡山県苫田郡鏡野町)
073 毛無山ブナ林(岡山県真庭郡新庄村)
074 冠山水源の森(広島県廿日市市)
075 比婆山水源の森(広島県庄原市)
076 水源の森 木谷山(山口県岩国市)
077 十種ヶ峰水源の森(山口県山口市)
078 剣山水源の森(徳島県三好市)
079 轟山水源の森(徳島県海部郡海陽町)
080 大滝山水源の森(香川県高松市)
081 柏原渓谷(香川県綾歌郡綾川町)
082 今治越智地方水源の森(愛媛県今治市)
083 面河水源の森(愛媛県上浮穴郡久万高原町)
084 滑床水源の森(愛媛県宇和島市)
085 吉野川源流の森(高知県吾川郡いの町)
086 四万十川源流の森(高知県高岡郡津野町)

九州地方


087 滝のある水源の森(福岡県うきは市)
088 福智山水源林(福岡県直方市)
089 龍門水源・黒髪の森(佐賀県西松浦郡有田町)
090 多良岳水源の森(佐賀県藤津郡太良町)
091 轟の森林(長崎県諫早市)
092 雉鳴水源の森(長崎県対馬市)
093 菊池渓谷自然休養林(熊本県菊池市)
094 黒岳水源の森(大分県由布市)
095 山下池の水源の森(大分県由布市)
096 綾の照葉樹林(宮崎県東諸県郡綾町ほか)
097 庭田水源の森(宮崎県日向市)
098 奥十曽風致探勝林(鹿児島県伊佐市)
099 宮之浦岳国有林(鹿児島県熊毛郡屋久島町)
100 大川の森(沖縄県国頭郡国頭村)

参考


富士山の天然水「【世界の水道水事情】飲める国と飲めない国, それらの理由と水質基準について解説」
https://mt-fuji-nmw.com/column/1815/
東京都水道局「みずふる」
https://www.mizufuru.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/
林野庁「森林と水の謎を解く」
https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/gizyutu/attach/pdf/sinrinringyoukoukaikouza1-3.pdf
「水源の森百選」選定要領
https://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/attach/pdf/index-102.pdf
林野庁「水源の森百選」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/hyakusen/
山梨県「天に選ばれし、名水の地。山梨。」
https://www.pref.yamanashi.jp/water/megumi/utsukushisa/shinrin.html
環境省「秩父多摩甲斐国立公園」
https://www.env.go.jp/park/chichibu/index.html
比叡山森林継承プロジェクト
https://www.hieizan.or.jp/forest
綾町ホームページ
https://www.town.aya.miyazaki.jp/soshiki/eco/1097.html
水の日・水の週間
https://mizunohi.jp/intro/index.html

記事一覧に戻る
MadeInLocalのロゴ

    お問い合わせ

    掲載依頼・取材依頼・Made In Localシリーズおよび地域を代表する企業100選についてのお問い合わせ等、承っております。まずはお気軽にご相談ください。

    お問い合わせはこちら

    会社概要

    Made In Localは、株式会社IOBIが運営する地方創生メディアです。弊社では現在、事業拡大につき、新卒・中途ともに積極的に採用活動を行っております。 ご興味のある方はぜひご一読ください。

    会社概要はこちら
    SDGsのロゴ
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを

Made In Localは地方創生メディアの運営を通して地域の産業振興や地域間格差の是正に取り組んでおり、「産業と技術革新の基盤をつくろう」・「人や国の不平等をなくそう」・「住み続けられるまちづくりを」の3つのSDGsのターゲットの実現を目指しています。

©︎ 2024 株式会社IOBI all right reserved