「カキといえば広島県!」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?実は三重県にも100年を超える長い歴史と独自の技術によって育てられたカキがあります。

今回は、広島県の「広島かき」・北海道の「厚岸かき」と並ぶ日本三大かきの1つである三重県の「的矢かき」についてご紹介します。

日本一のカキの生産量を誇る広島県在住の私としては、カキに関するテーマを見逃すわけにはいきません🔥

「的矢かき」は、11月〜3月ごろが旬で、広島県のカキに比べて生産量が少ないため希少性が高く、小ぶりで上品な味わいを持つ高級ブランドとして評価されています。

的矢かきには、豊かな味わいや育つ環境だけではなく、「生でカキを食べること」を支える驚きの技術があることが最大の特徴です。

本記事では、的矢かきの特徴とともに、紫外線を利用したカキの浄化技術について、お伝えしていきます。もちろん、最後は的矢かきを食べられるお店も紹介しますので、最後まで楽しんで読んでいただけると嬉しいです。

「的矢かき」ってどんなカキ?


的矢かきは、三重県・志摩半島の東部にある的矢湾で生産されています。

的矢湾は、昔からプランクトンが豊富で波は穏やか、水温は適温で水質が良好であることからカキの養殖に適していました。

他県のカキは2〜3年かけて養殖することが一般的ですが、的矢かきは1年で出荷するため、1年貝特有の渋みが少なく、甘みの強い味わいが魅力です。

また、海水に吊るしているカキは出荷の1カ月前に1度引き上げて、カキを1粒ずつかごに入れて再び約1カ月養殖するため、身入りがよくなり、品質にむらのないカキができあがります。

このように、的矢かきは的矢湾の豊かな環境と工夫された養殖方法によって、大切に育てられているのです!

「紫外線でカキを浄化する!?」安心して食べられるカキを生み出す独自技術


的矢かきの最大の特徴は、紫外線を利用したカキの浄化を行い、生でも安心・安全に食べられることに特化していることです。

ここからは、的矢かきの歴史とともに、驚きの浄化方法が行われる理由を徹底解説します!

的矢かきの生みの親は、日本の水産学者である佐藤忠勇(ただお)氏です。

佐藤氏は、1925年に的矢湾に佐藤養殖場を設立し、カキ養殖に取り組んできました。

また、現在全国に広がっている、海中にカキの入ったカゴを吊り下げる「垂下式養殖法」の技術を確立しており、佐藤氏は、「カキ養殖産業のパイオニア」といえます。

では、なぜ佐藤氏は「カキの浄化」に目を付けたのでしょうか。それは、カキの性質が関係しています。

「海のミルク」と呼ばれるカキは、必須アミノ酸はもちろん、タンパク質・グリコーゲン・ビタミンなどのほぼすべての栄養素がバランスよく含まれています。

カキは海水を体内に取り込みながら餌をとるため、海水中に細菌などが存在すると、それらも栄養素と一緒に体内に取り込む可能性があるのです。

また、カキは1時間に17〜20Lの海水を体内に通過させることで、海水から餌をとり排泄します。

こうした特性を受けて佐藤氏は、「カキ自身が餌と一緒に体内に取り込んだ細菌も排出すればいいのでは?」、「カキが菌を持つのは海水に菌があるからで、海水から菌をなくせばいいじゃないか!」と思い、「カキの浄化」に関する研究を開始しました。

研究の結果、紫外線には殺菌効果があり、カキは約18時間で体内の海水をすべて吐き出すことが分かり、1953年には、紫外線を利用したカキ浄化法を開発しました。

具体的には、紫外線に当てて滅菌した海水で20時間以上カキを飼育した後、カキ自身が体内の海水と滅菌済みの海水を入れ替えることで、カキの体内が浄化され、限りなく細菌リスクの低いカキができあがるという驚きの技術です。

その後、1955年に独自のカキ浄化法は特許を取得し、「清浄的矢かき」として現在も販売されています。

カキの性質を活用して誕生した「的矢かき」は、まさにカキと人間の連携プレーによって生産されているといえるのではないでしょうか。

実際に食べてみたい!的矢かきが食べられる場所3選


小ぶりなプリっとした身に濃縮された、上品な甘みと、クリアな風味が特徴の的矢かき…。

その魅力を知ると、そろそろ食べてみたくなったのではないでしょうか?

ここでは、三重県志摩市内の実際に食べられる場所を3つご紹介します。

①元祖的矢かきの「佐藤養殖場」が提供する‐的矢かきテラス


「的矢かきテラス」では、的矢かきが誕生した佐藤養殖場が提供する「的矢かき」が食べられます。殻付きカキなどを一斗缶に入れて豪快に蒸し焼きにする漁師料理である「かんかん焼き」が食べられるのも魅力です!

店の窓から、養殖のいかだや行き来する船が見えるため、海を眺めながら、ゆったり食事を楽しめます。

📌的矢かきテラス
・📍住所:〒517-0204 三重県志摩市磯部町的矢889 
・🚶アクセス:近鉄「鵜方駅」よりタクシーで15分 
・🚙駐車場あり
・📅営業時間:10:00〜15:00(L.O.14:30)定休日:火曜日
・📞電話番号:0599-57-2612 
・🔗公式サイト:的矢かきテラス

※営業情報は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。


②贅沢すぎる、的矢かきパラダイス‐いかだ荘 山上


「いかだ荘 山上」は、的矢で最初に「カキ料理」の看板を掲げて以来、カキ料理一筋の名店です。新鮮な的矢かきを、生で・煮て・焼いて・揚げて楽しめる、「カキづくし」の食事を味わえます。

宿泊プランの用意もあるため、温泉に入って、お酒とともにゆっくり滞在できるのも特徴です。

📌いかだ荘 山上
・📍住所:〒517-0204 三重県志摩市磯部町的矢883-12 
・🚶アクセス:近鉄「志摩磯部」駅から無料送迎バスで10分 
・🚙駐車場あり
・📅営業時間:昼食11:00~14:00、夕食17:30~21:30 ※連絡して確認を推奨
・📞電話番号:0599-57-2035 
・🔗公式サイト:いかだ荘 山上
※送迎の利用条件は公式サイトまたは施設へご確認ください。
※休館日は月によって異なるため、事前に公式サイトをご確認ください。


③的矢かきを多彩な料理で味わえる‐小粋


「小粋」は、20種類以上のカキ料理が楽しめる小料理店です。

さまざまな的矢かきの家庭料理が食べられる隠れ家的なお店で、カキ以外の魚料理も豊富なため、カキが好きな方はもちろん、魚料理を楽しみたい方にもおすすめです。

📌小粋
・📍住所:〒517-0501 三重県志摩市阿児町鵜方2428-3 
・🚶アクセス:近鉄「鵜方駅」から徒歩約10分 
・🚙駐車場あり/10台
・📅営業時間:【12月~3月】11:30~13:30(L.O.)【4月~11月】17:30~22:00(L.O.) 
・📞電話番号:0599-43-5237 
・🔗関連サイト:志摩市観光協会公式サイト|小粋

※営業時間は時期により異なるため、来店前に店舗へご確認ください。

おわりに


いかがでしたか。

広島県在住の私は、カキを身近に感じていましたが、三重県の的矢かきにも長い歴史や独自の技術があることが印象的でした。

的矢かきは的矢湾の環境、約1年で出荷する養殖方法、紫外線を利用した浄化技術によって、大事に育てられています。

三重県を訪れた際には、海の恵みと人々の知恵が詰まった「的矢かき」を味わってみてください!

参考


・観光三重|的矢かき
・三重ブランド|的矢かき
・雑学ネタ帳|的矢かきの日(4月1日記念日)
・鯨望荘|三重ブランド【的矢かき】
・はまぞう|清浄浄化を施した安心・安全な「的矢かき」きくいち日記
・中野水産|日本三大牡蠣とは?産地別の特徴完全ガイド|広島・的矢・厚岸を徹底比較
・志摩市観光協会公式サイト|的矢かきテラス
・志摩市観光協会公式サイト|いかだ荘 山上
・志摩市観光協会公式サイト|小粋

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