こんにちは！
カフェでアルバイトをしている、駆け出しの学生ライター、友近史歩(ともちか・しほ)です。

今回ご紹介するのは、ちょっと変わった新感覚のドリンク。

その名もMASUPRESSO(マスプレッソ)。

なんと、枡(ます)で飲むコーヒーなんです！

「えっ、日本酒じゃなくて！？」と驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか？

マスプレッソは、岐阜県大垣市の伝統工芸品・枡と名古屋の喫茶文化を融合した、新しいコーヒー体験。

前後編に分けて、マスプレッソの魅力をたっぷりお届けします。
この【前編】では、マスプレッソ誕生までの道のりをご紹介します。
最後まで楽しんで読んでいただけるとうれしいです。

偶然隣同士に！マスプレッソはここからはじまった

マスプレッソの誕生のきっかけは、あるイベント会場での偶然の配置にありました。

大垣の枡を手がける大橋量器と名古屋の喫茶ニューポピーが隣同士のブースになったのです。

大橋量器が運営するmasucafe(マスカフェ)は、大垣の枡を使って、スイーツや様々な料理を提供していましたが、「枡で飲むコーヒー」の開発にはある課題があったのです…。

「香りが喧嘩する!?」ヒノキとコーヒーの相性は…

その課題とは、枡で普通のコーヒーを飲むと、ヒノキとコーヒーの香りがぶつかり合って、驚くほど美味しくない…ということ。

大橋量器は、枡にウレタン塗装をすることでにおいを抑える工夫をしましたが、せっかくのヒノキの香りを活かせていないことをもったいないと感じていました。

斬新なアイディアとして始まったはずが、ヒノキとコーヒーはまるで犬猿の仲…。

それでも「ヒノキの香りもコーヒーの味わいも、どちらも楽しめる方法はないか？」と、大橋量器は喫茶ニューポピーとともに、この課題の解決に挑みます。

新たな味わいと香りのバランスを探る、試行錯誤の日々が始まりました。

ヒノキとコーヒーの調和、特別な一杯を目指して

課題解決の鍵となったのは「コーヒー豆の選定」と「精製方法」。

さまざまなコーヒー豆を試していくなかで、収穫した豆をそのまま乾燥させるナチュラル精製の豆に決まりました。

コーヒー豆は、喫茶ニューポピーに縁のある東ティモール産の豆で試作をしていましたが、ヒノキとの相性はいまひとつ…。

その後、エチオピア産のモカシダモやイルガチェフェ・アニーチャといった、果実感のある華やかな香りの豆に加え、ベトナム産のロブスタで深みをプラス。

その結果、コーヒーの豊かな果実味とヒノキの上品な香りが見事に調和する、最高に美味しい枡で飲むコーヒー・マスプレッソが誕生したのです。

試行錯誤をすること3か月。偶然の出会いからはじまった企業同士のご縁が、この特別な一杯を生み出しました。

🫘大垣で枡が発展したのはなぜ？

マスプレッソに欠かせない「枡」の話を少し。

1300年の歴史がある枡ですが、大垣で生産が始まったのは、1890年。

修業を積んだ職人が大垣市へ帰郷し、地元で枡づくりを始めたことがきっかけです。

豊富な地下水で“水の都”とよばれる大垣は、枡の原料となるヒノキの水路を使っての運搬が可能であったことから、枡のまちとして発展しました。

大垣の枡は、今では全国生産量の80％を占めています。

おわりに

いかがでしたか？

偶然の出会いが紡いだご縁から生まれた、枡で飲むコーヒーマスプレッソ。

伝統と革新、そして人と人とのつながりから生まれた特別な一杯なのです。

マスプレッソは「実際どんな味なの？」「どこで買えるの？」と気になった方も多いはず。

その疑問は、【後編】五感で味わう、特別な一杯。枡で飲むコーヒー、MASUPRESSOで過ごす癒しの時間で、お届けいたします。ぜひ合わせてご覧ください。

みなさんにもマスプレッソの誕生のような素敵なご縁が訪れますように…。

参考

・ぎふの旅ガイド｜MASUPRESSP(マスプレッソ) [(有)大橋量器］
・枡工房枡屋｜【コラボ／ドリップコーヒー】MASUPRESSO(マスプレッソ)
・ふるさとチョイス｜MASUPRESSO～枡で飲むヒノキ香るコーヒー～
・ライフデザインズ｜「大垣の枡」×「名古屋の喫茶文化」が融合した、東海エリアの新しい定番「MASUPRESSO(マスプレッソ)」
・YAHOO！JAPANニュース｜「枡で飲む」コーヒーに「石の皿」。東海発・伝統工芸の新しい挑戦
・枡工房枡屋｜大垣の枡の歴史と大橋量器のお話
・「有限会社 大橋量器」公式HP
・「masucafe(マスカフェ)」公式HP
・「株式会社BEANSBITOU」公式HP
・「喫茶ニューポピー」公式HP