~個性と自然を融合した建築~「みんなの森・ぎふメディアコスモス」の設計の奥深さ
アイ


こんにちは!学生ライターのアイです🍀

突然ですが皆さんは、「おしゃれで斬新な図書館」とSNSで話題の「みんなの森・ぎふメディアコスモス」を知っていますか?
2024年6月には来場者数が驚異の1000万人超えという数字を叩き出している岐阜県の図書館。
多くの人を惹きつける魅力は一体何なのでしょうか?

人気の理由はたくさんありますが、注目するべきポイントは何と言ってもその計算された斬新な設計。

ということで今回は、一度は行ってみたくなる岐阜県の図書館「みんなの森・ぎふメディアコスモス」の魅力を設計の観点からお伝えしていきたいと思います!

みんなの森 ぎふメディアコスモス


2015年、岐阜県岐阜市に開館された「みんなの森・ぎふメディアコスモス」

地域の活性化のために「新しい街づくり」を目指した岐阜市は2005年に「メディアコスモス開館」の案を出し、議会での反対の声や工事の延期問題を乗り越え、およそ10年の歳月を経て、完成させました。
開館初日には約7700人が来場し、1日の平均貸出冊数が4400冊に到達するなどの大反響を生みました。

そんな「みんなの森・ぎふメディアコスモス」、利用する人全員が主人公になってほしいという思いから「みんなの森」、様々な情報が宇宙まで広がっていくように期待を込めて「メディアコスモス」と名付けられたそうです。

本を読むことで得られる「物語性と知識」の要素を上手く組み合わせた素晴らしい名前ですね!
そんなメディアコスモスは、地元の子供たちからは「メディコス」の愛称で親しまれています。

そしてメディコスは市立中央図書館・市民活動交流センター・展示ギャラリーからできた複合施設で、交流センターとギャラリーでは音楽コンサートや絵画も楽しめるそうです。

図書館だけでなく、来た人が色々なツールで楽しめるように工夫されているところも「メディコス」が愛されている理由ですね。

伊藤豊雄の「街を思う気持ちとデザイン」が合わさった建築


特徴的な外観と内装で注目を集めているメディコス。どのような点からその設計に高い評価を得ているのでしょうか?メディコスの建築的魅力を詳しく見ていきましょう🔍

世界的建築家・伊藤豊雄


設計者を決めるにあたって、全国から優秀な建築家を募集した岐阜市。約70人の設計者の中から選ばれたのは世界的建築家・伊藤豊雄でした。

彼の代表作は二重ガラスが特徴的な「仙台メディアテーク」や大きなアーチ形のデザインが特徴的な「多摩美術大学・八王子図書館」などです。

個性がありながらも繊細さと奥ゆかしさが表現されている彼の建築は世界的に認められ、2014年「建築界のノーベル賞」と言われている「プリツカー賞」を受賞しました。
当時、日本人としては6人目の快挙で彼の建築がより注目されるきっかけとなりました。

伊藤氏の手がけた作品やプロジェクトについて詳しく知りたい方はぜひ以下のリンクをご覧ください!
【建築MAP】日本を代表する有機的な設計、伊東豊雄の建築一覧 | 迂回地図

自然との調和を意識した外観


メディコスの周囲には標高329mの金華山があります。設計者の伊藤はこのような豊かな自然を建築と融合させ、外観が周囲と溶け込むことを意識しました。

例えば、金華山の形に似せるためにメディコスの屋根は山を連想させる波打った形をしています。また壁面は落ち着いた茶色が使用されていて、自然の暖かな緑色と良く馴染むように設計されました。

洗練された都会的な建物ではなく、街の風景に合わせて温もりや居心地の良さを感じられる建物です。

落ち着いた雰囲気と素材にこだわった内装


メディコスの1階にはスターバックスがあり、ここにも伊藤の設計のこだわりが詰まっています。

まず、先ほども紹介したようにメディコスは落ち着いた雰囲気を大切にしているためスターバックスの店内も外観と同じような色の茶色で統一されています。

また、テーブルや天井に使う木材の質にもこだわり、強度が強い岐阜県の名産「天然の飛騨杉」が使用されているそうです。

太陽光エネルギーを有効活用・環境を考慮した設計


2階にある岐阜市立図書館の天井には「グローブ」という傘のような形をしたものがエリアごとにぶら下がっています。

これは岐阜県のテント会社が作っていて、閉鎖的な印象が生まれてしまう仕切りを使うことなく、図書館のエリアを区切られるように設置されました。

またグローブは真っ白な色の少し透ける素材で作られているため、日中に天井から入ってきた太陽光を照明の代わりに使用することができます。
斬新なアイデアで照明に使用するエネルギー削減にも貢献しているのです!


みんなの森・ぎふメディアコスモス

所在地:〒500-8076 岐阜市司町40番地5
電話:058-265-4101
開館時間:午前9時00分~午後9時00分
休館日:毎月最終火曜日・年末年始(12月31日から1月3日まで)
駐車場:有(午前8時00分~午後9時30分)
   ※年末年始(12月31日から1月3日まで)は終日閉鎖となります。
アクセス:岐阜バス「岐阜市役所・メディアコスモス」バス停下車すぐ 「市役所・メディアコスモス西」バス停下車すぐ 「市民会館・裁判所前」バス停下車すぐ 「市役所・鶯谷高校口」バス停より徒歩3分 JR岐阜駅または名鉄岐阜駅より徒歩約25分
ホームページみんなの森 ぎふメディアコスモス ホームページ(外部リンク)

おわりに


今回は岐阜県で話題の図書館「みんなの森・ぎふメディアコスモス」についてお話ししました。

個性的で斬新な設計が話題の図書館ですが、岐阜産の飛騨杉を使用したり岐阜県のテント会社にグローブの製作をお願いしたりと、「地域の活性化」「新しい街づくり」に大きく貢献していることが分かりました。

このような岐阜県を思う気持ちがあるからこそ、地元の人にも愛される「メディコス」が誕生したんですね。

みなさんも岐阜県に訪れた際はぜひ「メディコス」に行ってみて下さい!

最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回お会いしましょう☆彡

参考


ぎふメディアコスモスについて - みんなの森 ぎふメディアコスモス
みんなの森 ぎふメディアコスモス 施設案内|岐阜市公式ホームページ
「せんだいメディアテーク」の建築構造の特徴とデザインの魅力 | たてものフロンティア
金華山登山ガイド|岐阜市公式ホームページ
八王子図書館|多摩美術大学図書館 | Tama Art University Library
建築家・伊東豊雄による波打つ屋根と天井が特徴的な岐阜の市民に愛される「みんなの森・ぎふメディアコスモス」 - #casa
飛騨杉-国産材の紹介-国産材総合情報館

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