スカイファーマ

    発生学から創薬へ〜技術のリポジショニングが生んだ画期的な創薬技術 Z-FIT〜

    スカイファーマはアカデミアから誕生した独自の技術を駆使して、これまで見逃されていた画期的な低分子再生活性化医薬品の候補を発見しています。2025年度「再生医薬品開発企業」としてアジア太平洋地区第1位 (Life Sciences Review誌)に選出されました。

    企業のこれまでとこれから

    御社の創業から現在に至るまでの歴史について、転換点となった出来事を含めて教えてください。

    「発生と薬剤」これは東大・理研・東工大・東京医大における30数年にわたる創業者・安藤の一貫した研究テーマです。特に契機となったのはサリドマイド催奇性のターゲット(Cereblon) の発見の研究成果でした。それまでの数十年間、不明であったサリドマイド薬害のメカニズム。その候補タンパク質が見つかったタイミングで東工大に赴任し、動物での実証実験を担当しました。アザラシ肢症(短い上肢)に当たるゼブラフィッシュの胸ヒレに局所的に薬剤・遺伝子(タンパク質)を注入することでその短縮と伸長を自在にコントロールすることによって、「薬学界の長き謎」に終止符を打つことができました。この技術こそ薬効を評価する理想的なアプローチだと考え、創薬プラットフォームZ-FITを完成。スカイファーマ設立に至りました。

    御社の現在の事業の強み・特徴これからの展望について教えてください。

    創薬という事業はかつては大きな資本と設備を持った企業でなければできないと言われていました。培養細胞の反応から少数の候補を得ても、それが動物の中で求めるような治療効果を再現する例はごく少数です。AI創薬の進歩によりスタートアップ企業が参加しやすくなったとはいえ、未だ創薬の効率化が求められていることに変わりはありません。ゼブラフィッシュはヒトと82%の疾患ターゲットを共有し、表現型スクリーニングのトレンドモデルとして脚光を浴びています。しかし一般に行われている薬浴では化合物の性状によっては体内に浸透しないことがあり、ヒットの取りこぼしや毒性の過小評価が起こり得ます。標的組織に薬剤を局所注入するZ-FITはこれらの課題の解決に大きく貢献します。Z-FITは「個体発生」と「成体再生」という一見異なる現象において幹細胞の活性化が共通のトリガーによって引き起こされるという知見に基づいて開発された技術です。事実、Z-FITで見つかったヒット化合物はゼブラフィッシュやマウスの成体疾患モデルで明らかな症状の改善効果を見せました。今後はこの新しいコンセプトに基づいた革新的な創薬プラットフォームを動物のフェノティピック(表現型)スクリーニングのスタンダードになるように成果を積み重ねていこうと思います。

    企業から見た地域の魅力について

    御社から見た宮城地域の魅力について教えてください。

    東北地方には独自の文化と豊かな自然が共存しています。広島県出身の安藤から見れば、特に冬の季節に故郷とのあまりの違いに驚かされます。厳しい環境が東北の方々の忍耐強く、他人に暖かい気質を生んだのではないか、と思います。2011年3月11日の午後、当時横浜にいた私は激しい地震に驚きましたが、震源地は遠く離れた宮城県沖だと知り被災地からの映像にショックを受けました。失ったものはかけがえのないもので、まるで故郷の平和記念資料館に見る被爆直後の広島のようでした。ならば復興はなる。スカイファーマの創設地を仙台市に決めた理由はその一助になりたい、という想いからです。弊社の成長とともに地域の経済の活性化を願う気持ちで仙台市に創設をいたしました。スカイファーマの理念に共感して頂き、同時に東北を創薬の国際的拠点にという私たちの目標の実現に向けて協業や寄付といった形で背中を押して頂けますと大変励みになります。

    企業が求める人材像について

    御社に応募していただきたい人材像について、具体的に教えてください。

    弊社は東北大学に研究拠点を置く研究開発企業です。求める人材は①経営・薬事に精通したノン・アカデミア分野の人材 ②発生工学と薬理分野に通じた高い水準の研究者 の2つです。①では代表である安藤がアカデミアの研究者出身であり、創薬事業の推進にはその道に経験豊富な人材のサポートが必要だと考えます。②ではスカイファーマの強みであるゼブラフィッシュを用いたZ-FITを基盤とした低分子再生活性化医薬品の候補の探索をアクティブに実践できる研究者を求めます。①②が優秀であって初めて高いレベルのトランスレーショナルリサーチが実現できると考えています。

    ひとを知る

    代表取締役社長
    安藤秀樹

    大学発ベンチャー 企業として2019年、仙台市にスカイファーマ株式会社を設立。30数年間のゼブラフィッシュ発生生物学の研究で得られた独自の発想に基づく創薬プラットフォームZ-FITを開発し、東北大学と共同研究で低分子再生活性化医薬を開発すべく次世代型表現型スクリーニングを実施中。平成23年度手島精一記念研究賞(研究論文賞;Identification of a Primary Target of Thalidomide Teratogenicity/サリドマイドによる催奇性の主要な標的分子の同定)受賞。現在までに齧歯類で脊髄損傷・認知症に改善効果を持つヒット化合物を同定。他に緑内障・糖尿病の治療薬候補も同定し、解析を進めている。

    プレスリリース

    SDGsへの取り組み

    • 【3】世界に先駆けた難治疾患への再生医薬を開発し、数億人といわれる患者様にQOLの向上と健康的な生活を取り戻していただくことを目標とします。
    • 【8】東北地方を拠点とした本格的な製薬企業を作ることで、関連事業を含めた東北地方全体の経済の活性化を図ります。
    • 【9】従来の創薬の限界を突破するZ-FITによる新世代医薬品の創出基盤を通して、地方を発信源とした新しい医療の時代を開拓します。

    企業プロフィール

    企業名スカイファーマ株式会社
    所在地984-0075
    宮城県仙台市若林区清水小路6-1東日本不動産仙台ファーストビル1階
    創業年2019年創業
    代表者代表取締役社長 安藤秀樹
    事業内容
    • 創薬事業
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