戦時中に満州で羊肉の美味しさを知った初代（安部梅吉）が、昭和22年に精肉店兼食堂を創業。当初ジンギスカンは賄い料理でしたが、知人に振る舞ったところ好評だったことから店で提供を始めました。当時は「四つ足」の肉を食べる習慣がなく苦戦したものの、地道に営業を続けるうちに秘伝ダレが評判となり行列ができるようになりました。高原祭りが盛んだった昭和30年代、二代目（安部好雄）は肉や七輪を祭りの会場へ届けていましたが、悪路で七輪が割れる問題が頻発。これを解決するため「ジンギスカンバケツ」を考案し、店頭で無料貸出しを始めたところ、市内で爆発的に普及し、遠野ジンギスカン文化の象徴となりました。令和5年に施設を全面リニューアルし、スイーツ工房や惣菜製造など事業を多角化、新たな食の提案にも挑戦しています。

私たちの原点には、創業以来磨き続けてきた素材の目利き力と高度な手切りの技術、そして三代にわたり受け継がれてきた秘伝のタレがあります。これらは、まさに弊社の核となる大切な経営資源です。加えて、独自に構築したオムニチャネル型・ストック型のビジネスモデルが、表には見えないところで施設運営を支えており、弊社の大きな強みとなっています。商品開発においては、アイディアが生まれたらまず形にしてみる――そんな姿勢を大切にしてきました。ジンギスカンバケツの誕生に象徴されるように、独創性を企業文化として受け継ぎ、挑戦し続ける風土があります。難しいテーマにも果敢に挑み、その過程を仲間と分かち合いながら楽しむことができる環境も、私たちの強みのひとつです。これからは、これらの強みをさらに発展させ、加工食品の輸出にも挑戦していきたいと考えています。

私たちは、スタッフ一人ひとりが自分の強みを発揮し、やりがいや楽しさ、喜びを感じながら働ける職場づくりを心掛けています。また、提供するメニューや商品にはできる限り地元の食材を使うことで、微力ながら地域の農業を支えていきたいという思いもあります。当施設は、「食べる」「買う」「体験する」の三つの価値を備えた“食の観光施設”をコンセプトに掲げています。「遠野に行くなら、岩手に行くなら、東北に行くなら、あんべに寄ってみたほうがいいよ」と、自然と皆さまに勧めていただけるような存在を目指し、日々商品やサービスを磨いています。そして、過疎化が急速に進む地域の企業だからこそ、先進技術の導入やDX化にも積極的に取り組み、未来に向けて進化し続けたいと考えています。

私たちは、「世界中に団らんの幸せを届ける」という思いを大切にしながら、従来の習慣や形式にとらわれることなく、常に新しいことにチャレンジし続ける会社でありたいと考えています。アイディアが生まれたらまず形にしてみる、難しそうでも一歩踏み出してみる、壁にぶち当たってもそれ自体を楽しめる、そんな風土を何よりも大事にしています。このような価値観に共感し、変化を前向きに受けとめられる方、挑戦を仲間と一緒に楽しめる方に、ぜひ加わっていただきたいと思っています。嬉しいことも大変なことも、一緒に笑って乗り越えていける仲間を求めています。